先週の中国株式市場
―香港株小幅に続伸、中国人民銀行の資金供給を好感―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数はほぼ横ばいで、2万4,682ポイントで引けました。一方、上海総合指数が大幅に上昇し、3,203ポイントで終了しています。

ギリシャの債務問題を巡る懸念がくすぶるなか、中国の消費者物価指数などの経済指標が予想に届かなかったことから、先週のハンセン指数は売り先行となりましたが、中国人民銀行による各種の資金供給が好感され週後半には反発しました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

聯想集団(レノボ・グループ)は先々週発表された好決算で引き続き買われ、週間で5%超上昇しました。また、中国人民銀行の資金供給が好感され、金融関連の株が賑わっています。週間で中国平安保険集団(ピンアン・インシュランス)が4%余り上昇したほか、中国銀行(バンク・オブ・チャイナ)も1%以上の上昇となりました。

<下落>

一方、匯豐控股(HSBCホールディングス)は富裕層顧客に対する脱税指南の疑惑が浮上したことが嫌気され、週間で1.5%下落しました。また、大手商社の利豊(リー&フン)は目標株価の引き下げにより軟調に推移しました。

先週発表された主な経済指標

2月10日 生産者物価(PPI、前年比) 1月 -4.3% 市場予想 -3.8%、前回 -3.3%

1月の中国生産者物価指数(PPI)の前年比は前月の-3.3%から-4.3%に下げ幅が拡大し、市場予想の-3.8%よりさらに悪化しました。品目別の仕入れ価格をみると、燃料が9.9%下落したほか、黒色金属(鉄・マンガン・クロムなど)の価格も9.6%の低下となり、生産者物価を押し下げました。



2月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 1月 +0.8% 市場予想 +1.0%、前回 +1.5%

1月の消費者物価指数(CPI)の前年比は 0.8%の上昇と、昨年12月から上げ幅が縮小しました。特に食料CPIは前年比わずかの1.1%の上昇となり、前月の2.9%増より著しく低下しています。中国統計局によると、1月の温度が平均より1.9℃上昇したことにより野菜や果物などの価格が下落したことや、春節(旧正月)時期のずれが1月の物価に大きく影響したこと、1月の国際原油価格が下落しつつあることなどが1月の消費者物価指数が大幅に低下したと考えられます。


2月13日 マネーサプライM2(前年比) 1月 10.8% 市場予想 +12.1%、前回 +12.2%

1月のマネーサプライM2は前年比10.8%増と、12.1%増の市場予想を下回りました。また、1月の新規人民元建て融資は14700億元と、13500億元の市場予想を上回りました。さらに、総資金調達額(中国元)は20500億元増と、前月から大きく増加しました。マネーサプライM2の伸び率の低下が続いていますが、クレジットの供給は増加する傾向が出てきたようです。



今後発表される主な経済指標

特に重要な経済指標発表はありません。

マーケットビュー
―ハンセン指数、ギリシャ不安の後退と中国人民銀行の資金供給で続伸か―

ギリシャの債務問題を巡る懸念がくすぶるなか、中国の貿易統計や消費者物価指数などの経済指標が予想に届かなかったことから、先週のハンセン指数は売り先行となりました。しかし、揉み合ってきたレンジの上限(昨年11 月の高値2万4,313ポイント)近辺で下げ渋り底堅さをみせると、中国人民銀行による各種の資金供給などを好感して週後半に切り返しました。ただ、春節(旧正月)を控え様子見ムードが強まり、積極的な買いが出にくく、ハンセン指数は週間で小幅な上昇に止まりほぼ横ばいとなりました。

今週のハンセン指数は堅調な展開が予想されます。EUとギリシャの実務者の協議開始の報道でギリシャを巡る不安感がやや後退したほか、中国金融当局が先週に公開市場操作(オペ)で2000億元超の資金供給を行ったことも相場の支援材料になり、先週後半の勢いを引き継いで続伸となりそうです。ただ、春節(旧正月)を控え、取引が閑散となる可能性もあり、上値は限定的と考えられます。こうしたなか、ハンセン指数が心理的な節目の2万5,000ポイントを試すような展開となるかどうかが注目されます。

なお、春節(旧正月)のため、香港株式市場は2月18日午後から2月22日まで休場となり、上海株式市場は2月18日から24日まで休場となります。なお、2月の最終週の本レポートは休刊とさせていただきます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

■ご留意いただきたい事項

当画面でご案内している内容は、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等に関連しますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。

当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。

■ご留意いただきたい事項

・当社は、本レポートの内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。
・記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。
・過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
・提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
・当社は本レポートの内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。
・投資にかかる最終決定は、お客さまご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
・本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。
・内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。