企業の情報システムでのクラウド活用はもはや一般的になったと言えるが、さらに今年、日本で急速な普及が見込めそうなのが「マーケティングオートメーション」である。
これはEメール、ウェブマーケティングなどのデジタルマーケティング施策を、顧客に合わせて最適化・自動化するツールだ。サービス提供各社は、主に企業のマーケティング部門をターゲットとして普及促進を行っている。
ただ、経営者に認知されて投資の優先順位が上がってきているかというと、まだそこまでには至っていない。
筆者はマーケティングオートメーションの企業への導入・活用に関わっているが、ブレイクするには課題を乗り越えなければならないと感じている。
マーケティング担当者の「リード(見込み客)管理」ツールにとどまるのか、それとも、ビジネスの中核となるマーケティング機能を強化し、経営者から見て「なくてはならないツール」と評価されるのか。現在はその境目にあると言ってよいだろう。
オンラインの顧客接点はマーケティングの一部に過ぎない
これは、いわば「狭義のマーケティング」と「広義のマーケティング」のどちらに貢献するものになるのか、という問題である。
「狭義のマーケティング」とは、マーケティング専門の部門が行うプロモーション施策のマネジメントを指す。一方、「広義のマーケティング」とは全社的な顧客接点のマネジメントを意味する。