先週の中国株式市場
―香港株、「掉尾の一振」を達成、2015年の強気スタートにも注目―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は大幅に上昇しました。ハンセン指数は前週比約2%上昇し、2万3857ポイントで引けました。また、上海総合指数も続伸し、3,234ポイントと年初以来の高値を更新しました。

先々週の中国人民銀行が実質的な金融緩和を行ったことから、本土系の金融株や不動産株を中心に買われ、指数を押し上げました。1月2日にはハンセン指数が1%余り上昇し、力強いスタートとなりました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

中国人民銀行(中央銀行)が金融緩和策を発表したことから、中国関連の銀行や不動産などの銘柄が揃って上昇しました。上昇率トップになった中国海外発展(チャイナ・オーバーシーズ・ランド・アンド・インベストメント)が週間で16%超上昇したほか、華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド)も約12%上げました。また、中国工商銀行や中国交通銀行(バンク・オブ・コミュニケーションズ)などの銀行株も堅調に推移しました。

<下落>

一方、マカオカジノ運営の金沙中国(サンズ・チャイナ)と銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント)は2%前後の下落となりました。

先週発表された主な経済指標

1月1日 中国製造業PMI 12月 50.1 市場予想 50.0 前月 50.3

日本時間1月1日10時ごろ発表された12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と、前月から0.2ポイント低下したものの、50.0を見込んでいだ市場予想を上回りました。

指数の内訳を見ると、12月の各構成指数も軒並み前月と比べて低下しました。新規受注は前月の50.9から50.4に下落したほか、生産は前月の52.5から52.2に低下しました。また、供給遅延は50.3から49.9に下落し、好不況の分かれ目である50を下回りました。



今後発表される主な経済指標

1月10日 中国貿易収支 12月 市場予想 +485 億ドル、前回 +544.8 億ドル
      輸出 12月 市場予想 +6%、前回 +4.7%
      輸入 12月 市場予想 -6%、前回 -6.7%

中国の製造業PMI構成指数である海外受注指数の低下を受けて、輸出も軟調に推移する可能性がありそうです。12月の貿易収支は485億ドルと予想されています。


マーケットビュー
―ハンセン指数、材料難で一進一退の展開か、中国貿易統計などに注目―

先週のハンセン指数は、中国人民銀行が実質的な金融緩和を行ったことを受けて、本土系の金融株や不動産株が牽引役として買われ、相場を押し上げ、週間で2%余り上昇しました。週の初めに200日移動平均を明確に抜けてきたハンセン指数は、2015年の最初の取引となった週末(2015年1月2日)も1%を超える上昇となり好スタートを切りました。

今週のハンセン指数は一進一退の展開が予想されます。24,000ポイントといった心理的な節目が意識されるなか、先週発表された中国製造業PMIが前月より低下したことや、材料難で利益確定の売りが出やすことが重石となりそうです。一方、本土系金融株や不動産株には引き続き買いが入りやすく、これが相場の下支えとなりそうで、下値も限定的だといえるでしょう。テクニカル面では25日の移動平均や200日移動平均が相場の短期的な支えとなりそうです。なお、9日の米雇用統計や10日の中国の貿易統計の発表を控え、週末には様子見になりやすいといえます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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