■ 先週の中国株式市場
―香港株、クリスマスで取引閑散も投資家心理改善で続伸―
<先週の概況>
先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は前週比約1%上昇し、2万3349ポイントで引けました。また、上海総合指数も続伸し、3,157ポイントとなっています。先週のハンセン指数は、週前半に投資家心理が改善したことに加え、米国の株式市場も連日で最高値を更新したことから、週間で買いが優勢となりました。週後半はクリスマス休暇のため休場となりました。
■ 中国株式市場バリュエーション
■ 業種別リターン
■ 香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング
<上昇>
原油安が一服したことで、中国海洋石油(CNOOC)、中国石油天然気(ペトロチャイナ)といったエネルギー株が反発しました。また、2人の共同経営者のうち、ひとりが贈収賄で有罪評決を受けて辞任した香港の不動産最大手、新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)は悪材料出尽くしの買いが入り週間で3%以上に上昇しました。<下落>
一方、中国インターネット大手の騰訊HD(テンセント)が週間で2.6%と大幅に下げ、指数の重荷となりました。また、華潤電力 (チャイナリソーシズパワー)も軟調推移となりました。■ 先週発表された主な経済指標
特に重要な経済指標発表はありません。
■ 今後発表される主な経済指標
2015年1月1日 中国製造業PMI 12月 市場予想 50.0 前月 50.3
政府発表の製造業PMIは日本時間今週1月1日10時に発表される予定です。先週に発表されたHSBC中国の製造業PMIは前月と比べると小幅に悪化していましたので(50.0→49.5)、政府が集計するPMIも同じように低下するかどうかが注目されます。市場では前月から横ばいの50が予想されています。■ マーケットビュー
―ハンセン指数PBOCの政策発表を受けて「掉尾の一振」か、中国製造業PMIに注目―
先週のハンセン指数は、クリスマス休暇で取引が閑散となったものの、投資家心理が改善したことに加え、米国の株式市場も連日で最高値を更新したことから、週間で買いが優勢となりました。ただ、テクニカル面では、25日の移動平均線で上値が伸び悩むなか200日移動平均を抜けることができませんでした。
今週のハンセン指数は続伸が予想されます。27日に中国人民銀行(中央銀行)が、銀行が証券や保険など銀行以外の金融機関から預かる資金を預金扱いとする一方、預金準備率はゼロにすると発表したことで、銀行の貸出能力が大幅に高まるとの期待から中国関連の銀行や不動産などの関連銘柄が物色される可能性がありそうです。テクニカル面では先週抜けなかった200日移動平均を明確に回復することで先高期待が高まるとみられ、上値を試す展開となりそうです。
今週の木曜日(2015年1月1日)には中国の製造業PMIが発表され、注目が集まりそうです。なお、同日は元旦のため、香港の株式市場は休場となります。上海株は、1月1日、2日が休場となります。
フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)
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