先週の米国株式市場
―ダウ平均が初めて1万8000ドルの大台を突破―


<先週の概況>

先週の米国株式市場は続伸しました。クリスマス前後で材料難、薄商いながらもFOMC(連邦公開市場委員会)の発表後に急反発した前週の流れを引き継ぎ、ダウ平均は週を通して買いが優勢となりました。23日にはダウ平均は初めて1万8000ドルの大台を突破しました。

S&P500も史上最高値を更新、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は年初来高値を更新しています。


米国株式市場バリュエーション




業種別リターン



ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

ダウ平均採用の30銘柄中26銘柄が値上がりしました。インテル(INTC)、IBM(IBM)、シスコシステムズ(CSCO)などハイテク関連株の値上がりが目立ちました。

<下落>

メルク(MRK)、ファイザー(PFE)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の薬品関連3社が軟調でした。また、エクソンモービル(XOM)も原油価格の大幅な反発が見られなかったことから小幅に値下がりしました。

先週発表された主な経済指標

22日 中古住宅販売件数 11月 493万件 市場予想 520万件 前月 525万件
23日 新築住宅販売件数 11月 43.8万件 市場予想 46.0万件 前月 44.5万件

22日に中古住宅販売件数、23日に新築住宅販売件数が発表されました。結果的にはFOMC(連邦公開市場委員会)が声明文で指摘しているように米国の住宅市場の回復が鈍いことを示す格好となりました。

中古住宅販売件数は年率換算493万件と前月から6.1%の減少で、市場予想を大きく下回りました。新築住宅販売件数も前月から減少しました。住宅市場の回復加速は来年に持ち越しとなりそうです。


今後発表される主な経済指標

1月2日 12月ISM製造業景況感指数 市場予想 57.5 前月 58.7

1月2日に12月分のISM製造業景況感指数が発表されます。2014年の米国経済は昨冬に米国を襲った大寒波の影響で年初に一時的に停滞し、一時は企業の景況感が低下する場面が見られました。

ただ、ISM製造業景況感指数は春先から回復に転じると、夏場以降は改善と悪化の境目となる50を大きく上回って推移し、8月には2011年3月以来約3年半ぶりの高水準となる59をつけました。12月分は前月からやや低下が見込まれながらも引き続き高水準が予想されています。


マーケットビュー
―ダウ平均は1万8000ドルの大台を維持できるか注目―

先週のマーケットビューでは、一時的に材料難ながらもダウ平均が1万8000ドルに到達できるか注目と記しました。結果的に小動きが続きながらもダウ平均は1万8000ドルに到達しました。 

年末年始で薄商いとなるなかこのまま1万8000ドルの大台を維持できるかというところがマーケットの注目ポイントとなりそうです。また、今週末にISM製造業景況感指数、翌週には雇用統計など市場の注目度の高い重要指標の発表が予定されており、マーケットの材料となりそうです。

本年は「米国株 MARKET PICK UP」をお読みいただき誠にありがとうございました。もっと投資家の皆様のお役に立てるレポートを目指すべく改善を重ねてまいります。来年も何卒よろしくお願い致します。

フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

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