先週の中国株式市場
―原油安でエネルギー株が売られるも利下げを背景にハンセン指数反発―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は前週比約2.4%上昇し、2万3,987ポイントで引けました。また、上海総合指数は週間で196ポイント高の2,682ポイントとなっています。

先週のハンセン指数は、中国の利下げの恩恵を受けて、銀行と不動産株を中心に買われました。ただ、週後半に国際原油価格の下落を受けてエネルギー株が売られ、一時回復した心理的な節目の2万4,000ポイントを割り込みました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

香港ハンセン指数構成銘柄のうち40銘柄が上昇し、10銘柄が下落しました。中国の利下げに加え、中国で預金保険制度が来年始まるとの観測から、交通銀行(バンク・オブ・コミュニケーションズ)をはじめ、中国銀行(バンクオブチャイナ)や中国工商銀行などの中国本土の銀行が大きく買われました。

<下落>

一方、原油安を背景に原油採掘の中国海洋石油(CNOOC)や中国石油天然気(ベトロチャイナ)がそれぞれ3%超売られました。また、騰訊(テンセン・ホールディングス)も小幅ながら下落しました。

先週発表された主な経済指標

特に重要な経済指標の発表はありませんでした。

今後発表される主な経済指標

12月1日 中国製造業PMI 11月 50.3 市場予想 50.5 前月 50.8

日本時間12月1日10時ごろ発表された11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.3と、前月から0.5ポイント低下し、50.5を見込んでいだ市場予想を下回りました。

規模別のPMIを見ると、各規模の企業PMI指数は軒並み前月より下落しました。大企業の製造業PMIは前月より0.3ポイント低下の51.6となりました。中企業の指数も前月と比べて0.7ポイント下落し、48.4となりました。小企業のPMI指数が悪化し続き、前月から0.9ポイント低下の47.6となりました。この結果を見ると、特に中小企業の回復の状況は依然厳しく(好不況の分かれ目である50を下回った)、政府による中小企業向けの刺激策が一段と追加される可能性もありそうです。

指数の内訳を見ると、11月の各構成指数も軒並み前月と比べて低下しました。新規受注は前月の51.6から50.9に下落したほか、生産は前月の53.1から52.5に低下しました。また、新規輸出受注(48.4)と輸入(47.3)も軟調となり、好不況の分かれ目である50を下回りました。



マーケットビュー
―冴えない中国製造業PMIを受けて、香港株の上昇が一服か―

先週のハンセン指数は中国の2年4か月ぶりの利下げの恩恵を受けて、前半に大幅に上昇し、心理的な節目の2万4,000ポイントを回復しました。特に銀行株や不動産株の値上がりが目立ちました。週後半は、原油安でエネルギー株を中心に売られ相場を押し下げましたが、中国本土で上昇基調を強める上海株が心理的な支えとなり、下値は限定的で、週間で550ポイント上昇しました。

しかし、短期的には今週月曜日に発表された中国の製造業PMIが市場予想や前回より小幅ながら下回って悪化したことや、先週大きく上昇しただけに利益確定売りが出てもおかしくないことなどから、相場が調整する可能性がありそうです。こうしたなか200日移動平均がサポートとなるかどうかがポイントで、下げ一巡後に反発するかどうかが注目されます。こうしたなか短期的に売られすぎた銘柄(たとえば、エネルギー株)が値ごろ感で物色されるかもしれません。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

■ご留意いただきたい事項

当画面でご案内している内容は、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等に関連しますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。

当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。

■ご留意いただきたい事項

・当社は、本レポートの内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。
・記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。
・過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
・提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
・当社は本レポートの内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。
・投資にかかる最終決定は、お客さまご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
・本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。
・内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。