本記事は10月20日付フィスコ企業調査レポート(THEグローバル社)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
佐藤 譲
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商品企画力の更なる向上と戸建事業育成で収益成長へ

 マンション、戸建事業を首都圏で展開する不動産総合デベロッパー。土地の仕入れから企画、開発、販売、管理までをグループ会社全体で一貫して手掛けており、高い商品企画力に強みを持つ。価格よりも品質や顧客ニーズを重視し、他社にはない価値・サービスを提供する「Only One」企業を目指している。

 2014年6月期の連結業績は、売上高が前期比52.5%増の37,509百万円、営業利益が同46.1%増の2,393百万円と大幅増収増益となった。消費増税前の駆け込み需要もあり、マンション事業、戸建事業ともに前期比50%を超える大幅増収となったのが主因だ。

 2015年6月期は売上高が前期比9.6%減の33,896百万円、営業利益が同35.5%減の1,542百万円と一転して、減収減益となる見通し。建築費や地価の上昇、消費増税の反動減などを要因に、マンション事業の売上高が前期比41.5%減と大きく減少するのが要因だ。一方で、建築費高騰の影響が少ない戸建事業は積極的な事業展開により、前期比30.0%の増収を見込んでいる。

 今後の戦略として、マンション事業、戸建事業ともに立地を厳選した土地の仕入れ、及び顧客ニーズを重視した独創性の高い商品企画力によって、付加価値を提案し、他社との差別化戦略を図っていく。また、戸建事業に関しては収益の安定性を高めるため請負事業を強化する。売上規模としては2015年6月期に12億円、2016年6月期に24億円を目指す。その他にも、投資用アパート建築や注文建築などにも積極展開していく計画で、中期的には戸建事業をマンション事業と並ぶ事業規模に育成することで、収益基盤の強化と成長を目指していく。

Check Point

●マンション・戸建事業を首都圏で展開、商品企画力に強み
●2014年6月期は大幅増収増益、引渡し戸数も大きく増加
●付加価値を重視した戦略による戸建事業の成長に期待

事業概要

マンション・戸建事業を首都圏で展開、商品企画力に強み

 マンション、戸建事業を首都圏で展開する不動産総合デベロッパーで、2010年より持ち株会社制に移行している。土地の仕入れから企画、開発、販売、管理までをグループ会社全体で一貫して手掛けており、高い商品企画力に強みを持つ。価格よりも「品質」や顧客ニーズを重視した「商品企画力」を重視しており、他社にはない価値・サービスを提供する「Only One」企業を目指している。有名建築家とのコラボレーション、あるいは総合プロデュースで提供した物件を多く手掛け、顧客からの評価も高い。

 現在の事業セグメントはマンション事業、戸建事業、販売代理事業、建物管理事業、その他事業と5つに分けられ、マンション事業と戸建事業の2事業で売上高の9割超、営業利益の8割超を占める構成となっている。各事業セグメントの内容は以下のとおり。