先週の米国株式市場
―S&P500は史上初めて2,000ポイントの大台突破―


<先週の概況>

先週の米国株式市場は上昇しました。カンファレンス・ボード消費者信頼感指数や4―6月期のGDP改定値など、発表された経済指標の多くが市場予想を上回る好内容だったことが好感されました。

S&P500は史上初めて終値で2,000ポイントに到達、ナスダック総合指数も年初来高値を更新しました。


米国株式市場バリュエーション




業種別リターン



ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

ダウ平均採用銘柄は30銘柄中19銘柄が上昇、11銘柄が下落しました。サイバー攻撃を受けたと発表したJPモルガン(JPM)ですが、株価は上昇しました。

<下落>

証券会社により投資判断の引き下げが行われたビザ(V)は週間で2%近い下落となりました。また、ロシアでの一部店舗の閉鎖が報じられたマクドナルド(MCD)も小幅に下落しました。

先週発表された主な経済指標

カンファレンス・ボード消費者信頼感指数 8月 92.4 市場予想 89.0 前月 90.9

26日に発表されたカンファレンス・ボード消費者信頼感指数は92.4と前月(90.9)からの悪化を予想していた市場予想を大幅に上回って、前月から改善しました。

先に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が悪化していたために、カンファレンス・ボードも悪化が懸念されていましたが、結果的にミシガン大学消費者信頼感指数も確報値で大きく上方修正されており、個人消費の先行指標である消費者センチメントは堅調に推移していることが確認されました。


今後発表される主な経済指標

9月2日 ISM製造業景況感指数 8月 市場予想 57.0 前月 57.1
9月5日 非農業部門雇用者数(前月差) 8月 市場予想 +22.5万人 前月 +20.9万人

今週は重要な経済指標の発表が目白押しです。まず2日にISM製造業景況感指数が発表されます。先行指標である各地区連銀の発表する製造業指数やシカゴ購買部協会景気指数が堅調な内容だったことから、ISM製造業指数も好内容が期待されます。

5日には雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数は労働市場の堅調な改善の目安とされる前月差20万人増を上回る22万5000人増が予想されています。


マーケットビュー
―今週は雇用統計など重要指標の発表目白押し―

先週のマーケットビューではダウ平均が1万7000ドルの節目を突破したことから、ここからは高値警戒感が台頭し、上昇ペースは落ち着くのではないかと述べました。結果的にS&P500は2,000ポイントの大台を達成し、史上最高値を更新しましたが、ダウ平均は最高値更新には至りませんでした。

今週は重要な経済指標が発表されます。米国では経済指標欄で触れたようにISM製造業景況感指数や雇用統計が発表されますし、欧州では4日にECB理事会が行われ、追加金融緩和の決定が予想されています。米国の経済指標は良好な内容が予測されており、株式市場は好感して一段高となることがメインシナリオと考えられますが、雇用統計で予想以上に労働市場の回復が早まっていることが確認されれば利上げの早期化観測に繋がる可能性があり、その場合のマーケットの反応には注意が必要でしょう。

フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

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