マット安川 テレビでの温和な笑顔がおなじみの、自民党衆議院議員・平沢勝栄さん。しかし、その平沢さんをして、熱く、激しい口調にならざるをえないのが「拉致事件」です。

 北朝鮮に対しての交渉や調査、近隣諸国とのネットワークなど、拉致議連の初期から長く活動してこられました。国民の多くが首をひねり、喧騒のうちに終わったこのたびの金賢姫(キム・ヒョンヒ)来日劇についても、鋭い視点で語っていただきました。

空気は変わったが、自民党が勝ったわけではない

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:平沢勝栄/前田せいめい撮影平沢 勝栄(ひらさわ・かつえい)氏(右)
衆議院議員(自由民主党総務副会長、外務委員会筆頭理事) テレビ・ラジオにも多数出演。葛飾区柴又在住。(撮影・前田せいめい)

平沢 今回の参議院選挙では私も全国に応援に行きましたが、去年の衆議院選挙とはずいぶん空気が違うな、変わったなという感じを受けました。

 去年は自民党というだけで石が投げられそうな感じでしたが、民主党にやらせてみたけれども、やはりおかしいということで、みなさんの反応が違ってきたようです。

 しかし、自民党が勝ったと言っている人がいますが、実は民主党がオウンゴールした結果だろうと思いますよ。

 比例は今回12議席獲得しましたけれども、今までで最低です。民主党に比べて400万票ほど少ない。選挙区でも民主党に300万票ほど負けています。

 1人区では議席をかなり取ったけれども、都市部や比例を見ると自民党の議席、票はまだまだ少ない。民主党は候補者を多く立てましたから票が多く出るわけですが、それでも300万票負けたということは厳然たる事実です。

 自民党に支持が戻ってこなかったということを、しっかり反省しなければなりません。

 一方、みんなの党がこれだけ飛躍したということは、自民党もダメ、民主党もダメという人たちがかなりみんなの党に行ったのだと思います。

菅首相の適格性に疑問。民主党はさらに混乱

 菅(直人)さんは、総理になろうとずっと頑張ってこられたのでしょうが、総理として適格性があるのかなと疑問に思います。鳩山内閣の副総理、ナンバー2だったわけですが、鳩山(由紀夫)さんが普天間問題で迷走している時に、汗をかこうとしなかった。