3月27日、クリミアのロシアへの併合不承認を求めた国連総会決議が賛成多数で採択された。賛成票100に対し反対票は11だった。
しかし、棄権が58で欠席も24。その数字から見えてくるのは、米露の顔色うかがい、そして他人事で済まされないお家の事情といったところだろうか。
クリミアで最も有名な観光地
31日には、ドミトリー・メドベージェフ露首相がクリミアを訪問、経済特区を設けるなど地域支援を表明した。
クリミア「半島」だから、「編入」後はカリーニングラード同様の飛び地となると想像しがちだが、半島東部は、ケルチ海峡を介し、ロシア本土のタマン半島に面しており、その幅は4.5キロほど。そんな海峡間の物流を速やかにするため、海峡をまたぐ橋の建設を急ぐ考えも示した。
こうして併合の既成事実化が進められていくことになるのだろう。
ウクライナ危機が進むなか冬季オリンピックが開催されたソチ同様、黒海を望むリゾート地であるクリミア半島には、ソ連時代、大統領別荘があり、1991年の「8月クーデター」の際、滞在中のミハイル・ゴルバチョフ大統領(当時)が軟禁されたこともあった。
しかし、ソ連崩壊の時を迎えてからは、バカンス先は「外地」に移り、人気は低迷気味である。
そんなクリミアで最も有名な観光スポットと言えるのが、南端の街ヤルタ郊外に建つリヴァディア宮殿。
1945年2月、ヨシフ・スターリン、フランクリン・D・ルーズベルト、ウィンストン・チャーチルが、ソ連の対日参戦から戦後の分け前まで、戦中、戦後、そして今に至るまで影響の残る諸事を協議した「ヤルタ会談」の舞台となったところである。
一般公開されている内部をのぞいて見れば、会談当時の様子が再現され、歴史の1ページを写し出す写真の数々も展示されている。