中国共産党18期三中全会が終わった。全面的な改革の深化を目指すとの前評判が高かった割に、発表された公報は抽象的な文言が並び、どこに政策の新機軸があるのか分かりづらかった。

 しかし、後に公表された三中全会の「決定」全文を見ると、改革に向けて現政権がかなり本気であることが分かる。もちろん、中国は「上に政策あれば下に対策あり」の国だから、今後の展開こそが問題なのは間違いない。

習近平の権力強化を象徴する「国家安全委員会」新設

 そうした中で注目されたのが「国家安全委員会」の新設である。同時に新設される「全面深化改革領導小組」と併せて考えれば、中国の中央集権的な政治スタイルがより一層集約され、中央の独裁が強化されることが予想される。

 すでに全面深化改革領導小組の方では、上海市党委主任の韓正が副総理に昇格して小組の副組長になり、後任は党中央弁公庁主任の栗戦書となるといった観測も出ている。しかし、肝心の組長は習近平主席が就任するのか、あるいは李克強首相が就任するのか、現状では判然としない。国家安全委員会についても、孟建柱・中央政法委主任や王滬寧・党中央政策研究室主任らの関与が観測されるなど、ともに政治局委員クラスが参画する非常にレベルの高い意思決定機関となるのは間違いないだろう。

 しかし、このうちのどちらがより重要かといえば、「国家安全委員会」の方だろう。今年春の段階ですでに国家安全委員会を習近平政権が構想していることを、早耳の香港メディアが伝えていたからだ。

 ところで、名称から分かることは、全面深化改革領導小組は「党中央政治局常務委員会」に付属する機関であることが分かる。これは、全面的な改革の深化を党が中心になって管理・監督するために設置するものと言える。