韓国の宴会文化で「爆弾酒」があるのは知っている人が多いことだろう。爆弾酒とは、ビールを注いだコップにウイスキー入りのショットグラスを入れて飲むお酒のことだ。ビールとウイスキーが混ざって泡を噴くので爆発したように見えるということで名づけられた。

軍人が発明した爆弾酒

爆弾酒

 その起源については諸説あるが、軍人たちが相手を早く酔わせるために作ったというのが定説である。

 1980年代に登場したこの爆弾酒は韓国の宴会文化に欠かせないものとなり、それを知っている日本の商社マンなどでお酒に弱い人は韓国人の宴会のお誘いを恐れたりもする。

 1980年代から今日まで爆弾酒は焼酎、清酒、マッコリ、ワインなど、様々なお酒と混ぜることで、いろいろなバージョンを作り出した。そこへ最近新たに栄養ドリンク類を混ぜる爆弾酒も登場した。2010年からエナジードリンクが清涼飲料水として販売され始めたからである。

 レッドブルなどのエナジードリンク剤が普及し始めたのと時を同じくして、韓国の中高生たちの中ではやり始めた飲み物がある。一名「ブンブンドリンク」または「ブンブンジュース」。

 ブンブンドリンクは、ブンブンという空を飛ぶ時のオノマトペと外来語のドリンクを合成した造語である。

 ネットでは、「ブンブンドリンク」の作り方も紹介されており、中高生の間では試験期間中に一番多く飲まれているという。別名「ソウル大ドリンク(ソウル大学は日本の東京大学に当たる、国立の名門)」とも言うらしい。

 実際、2011年ソウル大学内で「ソウル大の学生たちの日常」という展示会でブンブンドリンクが展示されたこともある。

 ブンブンドリンクのポピュラーな作り方は、韓国の代表的な栄養ドリンク剤である「バッカス(オロナミンCのようなもの)」2本とレモナ(レモン入り顆粒)2袋を混ぜたものだ。

 バックスにはコーヒーの5倍ものカフェインが含まれており、バッカスの瓶のラベルには15歳未満は飲めないと書かれている。さらに、15歳以上1回につき1本(100ミリリットル)、1日1回と書かれている。