自民党衆議院議員の岸信夫氏(山口2区)と田畑裕明氏(富山1区)をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。TPP参加交渉をめぐる話題や消費税率の引き上げ問題などについて語った(今回はFM軽井沢からの出張放送)。
守秘義務のため与党議員にも明かされないTPP参加交渉の内幕
中山 今回は自民党衆議院議員のお2人、山口県選出の岸(信夫)さんと富山県選出の田畑(裕明)さんにお話を伺います。まずは、お2人が特に力を入れておられる政治の分野についてお聞かせください。
岸 私は自民党外交部会の部会長として、党内における外交政策のとりまとめを担当しています。もちろん外交というのは国や政府が行うものですが、政府を支える与党の中でいろいろな意見をまとめたり、他国との条約を国会提出前に審査するなどの国会対応をやっています。
田畑 私は昨年12月の衆議院総選挙で初当選した1回生議員ですが、これまで7年間の地方金融機関でのキャリアに加えて地方議員を約10年間経験し、地域活性化という切り口で政治に関わってきました。現在は厚生労働委員会にも所属し、国民生活に密着した社会保障制度を安定化させることをライフワークにしています。
中山 8月22日からブルネイで環太平洋経済連携協定(TPP)の第19回交渉会合が開かれ、岸さんは同行されたそうですね。
岸 はい。今回の会合では日本を含む12カ国が参加し、年内合意の目標に向けて関税の扱いなど10分野で協議が行われました。私は直接交渉に関わったわけではありませんが、農産物の「聖域」確保などに向けて政府の交渉団を激励してきました。
TPPの交渉参加にあたり政府は秘密保持契約にサインしていますが、これによって厳格な守秘義務が課され、交渉自体も密室で行われるため、我々与党議員もその中身は知らないんです。
日本の交渉官から情報を聞き出そうとしても、彼らも絶対に核心は話しません。ですから、最終的に合意されるまで具体的な内容は把握できないのが実際のところです。
中山 日本の交渉官が国益を守れるよう、与党の代表としてしっかりバックアップしていただきたいと思います。
岸 そうですね。交渉は年内妥結が目標とされていますが、協議がまとまっている分野とそうでない分野があり、年内に全ての結論を出すのは大きな困難を伴います。