7月28日に放送された『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、日中関係の改善に向けた両国の対応や今後の課題について解説したほか、スポーツとビジネス・政治の関係、憲法改正や従軍慰安婦問題などを取り上げた。
会談で関係改善を図ろうとする日本と逡巡する中国
中山 飯島(勳)内閣官房参与は長野県辰野町で講演し、今月中旬に中国・北京を訪問した際に習近平国家主席に近い複数の要人と会談したと語った上で、遠くない時期に日中首脳会談が行われるという見通しを示したそうです。
飯島氏は、沖縄県・尖閣諸島をめぐり冷え込む日中関係について「中国も日本の力をいろいろと借りたい部分があるが、首脳会談について相当悩んでいるというか、考えているという感じを受けた」と述べたとのことです*。
*中国の国営英字紙チャイナ・デーリーは7月30日、中国政府が近日中の日中首脳会談の開催について否定したと報じた。
また、このニュースと関連し、安倍(晋三)首相は27日にフィリピンで行った記者会見で、日中関係をめぐり「条件をつけることなく、なるべく早く外相・首脳レベルの会合を持ちたい」と発言。外務省の斎木(昭隆)事務次官が近く訪中し、張業遂外務次官との会談で関係改善の糸口を探ることにしていると伝えられました。
中国側は日中首脳会談に慎重な姿勢を見せていますが、安倍首相は外交のボールを投げています。
日中間の懸案事項を理由にいつまでも会談の席にすら着かないのは、外交的にもマイナスでしょう。いくら喧嘩をしていようと、国家間の問題ですから冷静に議論し合うことが大切です。
なお、外務省幹部は「8月15日の終戦の日を過ぎないと会談に向けて動き出すのは困難だろう」という見方を示したそうですが、これは会談開始後に靖国参拝問題が国内外で取り沙汰された場合、会談が中断されて振り出しに戻ってしまうことを避けたのだと思います。
このように、隣国でありながら複雑な事情を抱える両国関係の現状は、1978年に締結された日中平和友好条約と決して無関係ではないはずです。