起業は、サラリーマンの夢の1つですが、最初から上手くいくことはあまりないようです。ベンチャーとして創業し、今や日本有数のITサービス企業となったDeNAも、当初の業績は芳しくありません。

 創業してから5年間の収益は、赤字、もしくは超低空飛行を続け、ようやくまともに利益が出だしたのが2005年あたりです。ソーシャルゲームで大ヒットを飛ばし、注目されるようになったのはここ3年ほどのことに過ぎません(参考:DeNAの企業情報「コーポレートアイデンティティ」)。

 DeNAの創業者である南場智子氏はハーバード大学のMBAホルダーで、マッキンゼーのパートナーまで務めた人です。そんな人が始めても、最初の5年間は下手をすれば潰れていたかもしれない。そう考えると、起業する気がなくなりそうです。しかし、誰にでもとは言いませんが、一部の人には、もっと安全に起業する方法もないわけではありません。

なぜ戦争の訓練として狩猟をすべきなのか

 <いろいろの事柄の中でも、とりわけ指揮にあたる将軍に要求されるのは、地形や地理を知っておくことだ。その理由は、大局的でしかも細部にわたる知識がないと、指揮官はどんな作戦も実施し得ないからである。しかも、すべての技術は、訓練を重ねてはじめて、完全にそれを我が物にできるのである。>

 (『ディスコルシ 「ローマ史」論』、ニッコロ・マキァヴェッリ著、永井三明訳、ちくま学芸文庫)

 マキァヴェッリは君主や将軍の責務として戦争に勝つことを挙げ、その訓練として狩猟を勧めています。狩猟を勧める理由は、2つあります。1つは獲物を待つ、追う、仕留める過程で自然の中で困苦に耐えなければならないため、戦場向きの体を涵養(かんよう)できること。もう1つは全国の大地を這いずり回ることで地形とその特徴を覚えるからです。

 地形を知っているかどうかは、戦争をする上で大きな影響を与えます。地形を上手く利用すれば圧倒的な劣勢でも大軍相手に対等の戦いができますし、場合によっては勝てます。