マット安川 今回はゲストに評論家・宮崎正弘さんを迎え、最近取材で回っている東アジア諸国の実情や、日本との関係、中国経済の最新情勢まで、幅広くお聞きしました。

中国は「張り子の虎」。安倍政権は反中世論を利用せよ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:宮崎正弘/前田せいめい撮影宮崎 正弘(みやざき・まさひろ)氏
評論家、作家。国際政治・経済の舞台裏を解析する論評やルポルタージュを執筆。中国ウォッチャーとしての著作の他、三島由紀夫を論じた著書もある。近著に『オレ様国家 中国の常識』『2012年、中国の真実』『中国が世界経済を破綻させる』など。メールマガジン『宮崎正弘の国際ニュース・早読み』を発行。(撮影:前田せいめい、以下同)

宮崎 中国は昨今の円安で激甚な影響を受けています。なにしろ人民元は円に対して、この半年で30%近く高くなりましたから。

 ということは、中国の輸出競争力はほぼなくなったということです。本当はもう真っ青なのに、そんな弱気は見せられないんだね。近ごろは尖閣どころか沖縄まで自分のものだと言い出してるぐらいですから。

 結局、中国は「張り子の虎」なんですよ。中国の国家統計局はGDPの46.1%が不動産関係だと公式に認めています。操作した数字のはずなのに、それでもあまりにもいびつでしょう。

 しかも推計によるとその半分は不良債権なんです。規模だけは100万都市なのに、住んでるのは犬2匹だけのゴーストタウンがあったりする。ウォールストリート・ジャーナルが「ゴーストタウンどころかゴーストシティだ」と書くような惨状です。

 空母が就役したと言いますけど、あれはただの鉄のカタマリです。艦載機がないんですから空母があっても意味がないし、速度も20ノットしか出ません。昔の戦艦大和だって30ノット近く出せたでしょう。中国の最新鋭ジェット戦闘機も、飛んだところを見たことがない。たまに飛ぶと落ちるっていうじゃないですか。

 中国の脅威とか言われますが、ちっとも怖いことはないんです。でも今盛り上がっている反中感情はそれなりに利用価値がある。安倍政権はこのチャンスを生かしたほうがいいと思います。中国からの不法移民やニセ留学生、風俗業者をいっせいに手入れしたらいい。

 われわれはね、「パールハーバー」を待ってるんですよ。もし向こうが上陸でもやらかしてくれたらシメたもんでしょう。一気に防衛費を倍増するぐらいできるんじゃないかな。安倍(晋三、首相)さんにそこまでの度胸があるかは分かりませんけど。