1 靖国神社参拝等に対する中・韓の反発
靖国神社春の例大祭への安倍晋三首相の真榊奉納、閣僚の参拝、超党派国家議員の靖国神社参拝、安倍首相の国会での「英霊に尊崇の念を表するのは当たり前のことであり、閣僚がどんな脅かしにも屈しない自由は確保している」発言などに対して、パク・クネ政権発足後初めてとなる外相訪日がキャンセルされ、駐韓別所日本大使を呼んで抗議し、さらには非礼にも、一部市民が首相を象った人形や日本国旗を燃やすなどの激しい抗議活動を行っている。
5月3日にインドで開かれる予定だった日中韓財務相・中央銀行総裁会議の開催が見送りになった。背景には、麻生太郎副総理兼財務相の靖国神社参拝や、尖閣諸島(沖縄県)をめぐる対立が背景にあると見られる。
同会議は、日中韓3カ国が新政権になって初のハイレベル会談になる見通しだった。この会議は、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)財務相・中央銀行総裁会議に合わせ、ほぼ毎年開かれてきたものである。
国旗や一国の指導者を象った人形を燃やすなど、非常識国家北朝鮮や中国ならまだしも、少なくとも先進民主主義国家たらんとする国家ではあってはならないことだし、それらの行為を黙認するのは認可しているのと同義である。
気になるのは、韓国外相が日本訪問を中止しながらも訪中し、また大統領も5月には訪米した。中国も、北朝鮮対応をめぐり、日本との協議など全く考慮することもなく、米国と直接協議している。
中・韓が、日本抜きで米国と話し合い、日本を蚊帳の外に置こうとしているのではないかと懸念される。
今後も、このような中国や韓国による日本無視の外交が活発化しよう。そして、それは北朝鮮にとっても好ましい状況だろう。
今ここで、靖国神社参拝問題や歴史認識問題について、我が国の正当性を論じる積もりはないが、歴代政権の軟弱な対応に比して、安倍首相が正論を述べているのは心強い限りである。