去る12月13日に開催されたエコノミスト・カンファレンス『ジャパン・サミット2012』。

 今回のテーマは、「2050年の世界―メガチェンジを見据えた日本の挑戦」。世界に迫りくる大きな変化を前に、政治、産業、エネルギー、震災復興といった日本が抱える課題について討論が行われた。

左から金野氏、奥村氏、猪口氏、司会のマクニール氏(写真:前田せいめい、以下同)

 今日から4回にわたってお届けする『ジャパン・サミット2012』リポートの第1回目は、『日本政治:リーダーは必要か? 最善なる統治・意思決定の形』と題されたセッションの内容をお伝えする。

 パネリストは、日本政策学校代表理事の金野索一氏、ユーラシア・グループ参与の奥村準氏、新潟県立大学学長・理事長の猪口孝氏。司会はエコノミスト誌コントリビューターのデイヴィッド・マクニール氏。

「官僚国家」の統治機構をどうやったら変えられるのか

デイヴィッド・マクニール氏(エコノミスト誌コントリビューター)

マクニール 2050年の日本をリードするのは政治家でしょうか、官僚でしょうか。

金野 政治家でないといけないと思います。今の日本の民主主義が機能していない理由の1つはやはり官僚制でしょう。

 日本が官僚国家と言われるのは、成立法案の8割くらいが内閣立法だからです。選挙でロー(法律)メーカーとして選ばれている国会議員は、2割くらいしか法律を作っていません。

 この議員立法の比率をもっと高めていくことが、政治家が政治をやるうえで一番必要な流れです。

 もう1つ指摘したいのは、国会議員のバックグラウンドが限られていることです。解散前の前衆院議員で言えば、6割までが4つの職業出身者で占められています。

 4つというのは、地方議員と議員秘書、公務員、政党職員です。アメリカなんかではもっと民間出身の方が多いでしょう。多様性ということを反映させるのが民主主義であるならば、政治家になる人のバックグラウンドも多様であるべきです。