CESで恒例になったCEA(Consumer Electronics Association、コンシューマーエレクトロニクス協会)のゲイリー・シャピロCEOとジュリウス・ゲナコウスキFCC委員長の講演。

 ゲナコウスキ委員長の講演は、2012年のNABショー以来8カ月ぶりだ。(参考:前回のNABショーでの講演に関する記事「放送局の周波数をネットに開放する米国の狙い」)

注:FCC(The Federal Communications Commission、連邦通信委員会)は通信・放送行政を司る。NAB(The National Association of Broadcasters)は1700局以上の放送局で組織される団体

ギガビットWiFiを推進するゲナコウスキFCC委員長

CEA(CESの主催団体)のシャピロCEO(左)とジュリウス・ゲナコウスキFCC委員長。今年はゲナコウスキ委員長の講演は無く、対談のみの1時間だった(著者撮影)
 

 ゲナコウスキ委員長の周波数基本政策は、モバイルブロードバンド利用への転換にある。米国は2010年に策定された全米ブロードバンド計画(National Broadband Plan)に盛り込まれた方針、すなわち2020年までに500MHz、2015年までに300MHzをモバイル利用に変換していく真っ只中にいる。

 先月2012年12月11日、FCCは現在衛星電話用に割り当てていた2GHz帯(2000-2020MHz、2180-2200MHz)の40MHz分(10MHz分2ブロック×2ペアリング)の帯域をモバイルブロードバンド向け(Advanced Wireless Service: AWS)に再割り当てすると発表した。AWS-4Bandとしてオークションを実施する予定である。

 そしてこの対談のサプライズは、軍や気象情報用に割り当てられている5GHz帯の195MHz分をWiFi向けに開放すると発表したことだ。

タブレットで利用されるデータ量はスマートフォンを追い越している?

 ここでよくFCCやゲナコウスキ委員長が前提に使うモバイルのデータトラフィックに関する数字をまとめておこう。全て米国の数字である。