2012年4月、マーケティングカンファレンスの ad:tech San Francisco(アドテック サンフランシスコ)に行った時、こんな話を耳にした。
「フェイスブックのマーク・ザッカ―バーグCEOは優秀な経営者ではないだろうか。自分の弱い部分を理解し、その部分の専門家を招いたり、権限委譲をして、その弱さを補完しているからだ」
私は、この話を聞くまではザッカーバーグは若く優秀な起業家というだけだと思っていた。しかし、この話を聞いた後は、ザッカ―バーグは強い人間なのではないかと考えを改めた。
自分でやるか、他人に任せるか。ビジネス上はどちらが良い解決方法?
多くの人は自分の弱みを見せたがらない。弱みを見せることを怖がるからだろう。もちろん、私にも当てはまる。だから、実感を込めて「弱みを見せることの怖さ」とここに書いている。
しかし、ビジネス上その弱みを克服しなければいけないとしたら、どうすればよいのだろうか?
解決方法には2種類あるだろう。1つは自分で克服する。もう1つはザッカ―バーグのように他の人に依頼する方法だ。
自分で克服する方法には自分の強みが増えるというメリットがあるが、おそらく克服には時間がかかるだろう。他人に頼む方法は、頼む相手を探さないといけないが、おそらく時間はあまりかからないと思う。
ビジネスにおいては解決までのスピードが優先されるだろうから、他人に頼むというのは良い解決方法だと思う。
もちろん、他人に頼むのは良いことばかりではない。何を頼むか明確にしないといけないし、その相手との信頼関係が何より重要になる。しかし、企業活動においては、当然チームで仕事を行う方がよい場合が多いだろう。
産学共同の取り組みに意味がある理由
ところで、読者のみなさんに質問である。社会人になった後で教育機関や自分の恩師を訪れたことがあるだろうか?
多くの方は訪れたことがないと答えるだろう。理由も想像できる。自分の現在の仕事と学んでいたことが違う、学生時代に落ちこぼれだったから・・・。でも、本当の理由は、そんなこと考えたこともないし、意味がないと思っているからではないだろうか。
もちろん、教育・研究機関と民間の共同研究の難しさには、日本の組織的な構造の問題もある。海外では、民間の企業が課題を持ち込める場所が存在しているのに対して、日本にはそのような場所やイベントが少ない。