先月25日、スペイン・カタルーニャ州議会選挙で、スペインからの分離独立派が議席の過半数を占めました。カタルーニャ州はもともとスペインとは違う文化圏であることから、独立志向が強いのです。何度もカタルーニャ共和国が建設されては、潰されてきた歴史を持っています。

 これにはスペイン政府も妥協して、自治権を認めるなどしていました。しかし1934年に最後のカタルーニャ共和国が成立後に起こったスペイン内戦(1936~1939)で、フランコ率いる反乱軍が勝利して、政府側についていたカタルーニャを弾圧します。そのときの恨みつらみは、今なお残っています。

 これは対岸の火事でしょうか? 筆者には、沖縄がいずれ独立を目指すのではないかと思っているので、対岸の火事には見えません。

沖縄県民が「独立したい」と考えても無理はない

 沖縄は、もともと琉球王国が存在し、廃藩置県が行われたときに日本が武力にものを言わせて「沖縄県」が成立しました。第2次大戦時の沖縄戦は、広島、長崎の原爆投下に匹敵する悲惨な戦いでした。

 1945(昭和20)年6月6日、沖縄戦の終了間際の絶望的な状況下、日本軍全滅を予感した太田實少将が本土に送った電文は有名です。沖縄戦がどれほど県民に犠牲を強いたのか、淡々と綴られた電文の最後は、涙なしには読めません。

 「沖縄県民かく戦えり。県民に対し、後世格別のご高配を賜らんことを」

 第2次大戦後、沖縄には多くの米軍基地が作られて、日本復帰後もその状況は変わりません。失業率は日本一です。

 こんなご高配を賜るくらいなら、独立して日本政府や米国政府と対等にやりたい。中国が大事にしてくれるというなら応じてもよい。そんな沖縄県民が多数出てきても不思議ではありません。

 事実、2005年から2007年にかけて3度行われた琉球大学の林泉忠氏の調査によれば、日本政府が認めるなら2割程度の人が、認めない場合でも1割から2割の沖縄県民が「独立すべき」としています。これは決して少ない数字ではありません。