デジタルマーケティングは何が難しいかというと、技術の進化が新たなメディアを創出し、その結果コミュニケーションの方法にも常に進化があるところである。そして、多くのメディア(コミュニケーションプラットフォーム)は、残念ながら米国、特にシリンコンバレーで生まれている。

 今回私は、「Digital Collective, Back to School(参加メンバー専用サイト)」という、マーケティング責任者レベルを対象としたシリコンバレーの勉強会に、日本人として初めて参加させてもらった。

参加者とのネットワーキング風景(写真提供:著者、以下同)

 この「Back to School」は、デジタルマーケティングの責任者が、まず現在行うべき注力テーマを確認するための討論を行い、次いで有力なプラットフォーム企業を回って議論をする非常に良質な勉強会だ。

 参加メンバーのレベルも高く、アドテック東京キーノートスピーカーを務めるような人たちが、普通に参加者として加わっている。

 そして、勉強会全体をリードするのは、読者の方もよく利用しているであろうeMarketerのジェフ・ラムゼイ(Geoff Ramsey)会長である。

 この勉強会、内容も刺激的だったのであるが、メンバーも非常に刺激的であり、日本と米国のマーケティング責任者の違いも興味深かったので、その点を中心にまとめてみたい。

米国のマーケティング責任者はデジタルに明るい

 勉強会2日目、朝の最初のセッションは討論会だった。私が参加したのは、「Digital Marketing to the Digital Self: How Analytics Can Make Sense of Today’s Mobile & Social Customer to Create Predictable Business Results」をテーマとしたセッションで、参加者が最も多く、40名ほどのメンバーが集まった。

 まずビッグデータ関連のテーマから話が始まり、「Webのアクセス分析は有効なのか?」「他のデータと統合すべきなのか?」などについて意見が交わされた。日本人の討論会では、問題点や困難点を共有することに多くの時間を使うのだが、今回は、成功する方法や成功した事例を中心に情報共有するので、気持ちよく時間が過ぎる。

 その中で驚きなのは、参加者がかなり細かなことまで話すことである。例えば、アクセス分析ツールのタグの設定の方法や、実際に成約したデータとの結合方法を、米国のマネジャーは話すことができるのである。

 日本の宣伝部長や事業担当役員が同様なことを話しているシーンはまだ見たことがない。米国のマネジャーたちは非常に忙しいはずなのに、このような専門知識まで持っているのは大きな驚きである。