今年も夏祭りや花火のシーズンが到来した。といっても私などが出かけるものは、その100%が自衛隊主催である。

 ごく最近も、千葉県の習志野駐屯地で開催されたお祭りに足を運んだ。2日間にわたり午後から駐屯地を開放し、隊員たちによるカキ氷や焼き鳥といった出店は大賑わい、夜は花火や盆踊りということで、何万人もの老若男女が楽しんでいた。

 こうしたことは、全国の陸海空自衛隊の基地や駐屯地で行われており、日頃、自衛隊とはまるで縁のない人々にとって数少ない触れ合いの時となる。

 言い換えれば、その時の姿が、唯一知っている「自衛官の姿」となる可能性もあるのだ。これらのイベントに行ったことのある多くの人から「キビキビして礼儀正しかった」などといった感想を聞いたことがあり、また、人によっては「ちょっと誇張しすぎ!?」と思うほど、イメージ先行の自衛官の姿が目に焼き付いているようだ。

格好の広報の場となる夏祭りや地元の催し

 そういう意味で、私はこうした地域の人々と接触する時こそが「広報」という面でも最も重要ではないかと思っている。

 私自身も、駐車場の誘導や受付で言葉を交わした隊員さんのことが妙に印象に残っている場合が多い。

 「機械仕掛けか?」と疑うようなぶっきらぼうなタイプもいれば、気さくにお喋りする方もいて、様々で面白いが、ここで何か気に入らないことがあったりすれば、それが一番記憶に残ってしまうお客さんもいるであろうことを考えれば、部隊トップの挨拶の文言もさることながら、こうした場所にも細心の注意を払っているのだろう。

 他に、自衛隊の広報手段として代表的なものは、最近、出された防衛白書や各種パンフレット、ホームページ、フェイスブック、セミナーなどが挙げられる。