僕は、2009年の終わり頃から、企業やタレントの方々と共にソーシャルメディアをマーケティングに活用する試みを続けている。
ここ1年ほどは、実名制で一定のプロフィールが公開されているフェイスブックの利用者が日本でも急増したことで、そのマーケティング利用価値に企業が着目する傾向が顕著だ。
そしてソーシャルメディアのマーケティング活用をプランニングする場合、現状ではフェイスブックは不可欠なツールと化している。
いまはまだ、ソーシャルメディアのマーケティング活用本格化の入り口というところだが、その矢先に「ソーシャルメディアはマーケティング活用する価値がないのでは?」という論調も散見するようになった。その論調は真なり、なのだろうか。
ソーシャルメディアには性質を異にする様々なサービスが存在し、それらを複数併用することでマーケティング活動の成果の最大化を図るが、ここでは最注目のツール、フェイスブックを基点に考えてみたい。
マーケティング関係者が「タイムライン」表示への移行に困惑する理由
日本時間の3月1日午前3時から、フェイスブック初のマーケター向けカンファレンス「fMC」が開催された。フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグの基調講演から始まったこのカンファレンスの中に、企業のフェイスブック活用に大きな影響を与えると思われる発表が含まれていた。
その1つが、「フェイスブックページへのタイムライン適用」だ。
要するに、企業などが開設しているフェイスブックページのレイアウトが変更され、個人のページと同じような「タイムライン」表示に移行することになったのだ。発表から約1カ月の猶予期間を経て、すべてのページが強制的にこの適用を受ける。
このことは、フェイスブックページをマーケティングに活用している企業や、その支援を行うサービス会社の間で波紋を広げた。
従来、フェイスブックをマーケティング活用する場合、フェイスブックページに自社のサイトや広告から「Welcome」と呼ばれるページに誘導し、「いいね!」を押してもらうことが重点視されることが多かった。
なぜ今回の変更が波紋を呼んだかというと、その「Welcome」ページがなくなってしまうことに起因する。