オバマ大統領とネタニヤフ首相が会談、イランの核問題を協議

ホワイトハウスで会談するバラク・オバマ米大統領(右)とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相〔AFPBB News

 先週末から世界の中東専門家の耳目がワシントンに集まった。3月5日、米国のバラク・オバマ大統領がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談を行ったからだ。

 もちろん最大の関心はイラン核開発問題。6日、英語で書かれた関連記事をグーグルで検索したら、何と4337件ものヒットがあった。

 ところが、同時に日本語で書かれた記事を検索したらわずか78件。悲しいかな、日本での関心の低さを象徴するような数字だ。

 しかも、内容を読んで思わず絶句した。失礼ながら、ワシントンの日本人特派員の中東理解とはしょせんこの程度なのだろうか。今回は米・イスラエル関係報道の読み方を考えたい。

相も変わらぬステレオタイプ報道

 まずは筆者が唖然とした見出しと報道内容の例をいくつか挙げてみよう。

●イスラエル、イラン攻撃否定せず 自制求める米大統領に

 イスラエルのネタニヤフ首相は、イラン攻撃に自制を求めたオバマ大統領に対し「イスラエルは自国の命運を自ら決める」と強硬姿勢を崩さず、攻撃の可能性を留保する構えを示した。CNNテレビによると、両首脳の議論は平行線をたどったとみられる。

●米とイスラエル、イラン対応にズレ 首脳会談

 オバマ米大統領はイラン核開発問題を外交的に解決したい意向を伝えたのに対し、ネタニヤフ氏はイスラエルの自衛権を認めたオバマ氏の発言を評価したものの、外交的解決の是非には言及せず、「安全保障に関しては自決権がある」と述べ、独自の判断で武力行使に踏み切る可能性を否定しなかった。

●イラン制裁強化か攻撃か・・・米・イスラエル平行線

 オバマ米大統領はイランの核問題で制裁強化による外交的解決を目指すべきだとの立場を改めて強調した。ネタニヤフ首相は、イランが核兵器製造能力を持つ前に先制攻撃すべきだとの立場を繰り返したとみられ、議論は平行線に終わった模様だ。