21日の東京市場は、株式が上昇、為替ではドル安・円安とリスク選好ムードが広がった。前日の米欧市場で株式が大幅反発した流れを受けた動き。ユーロドルは1.3080レベルから1.3120レベルへ、ユーロ円は101.80レベルから102.20近辺まで水準を上げた。資源国通貨も堅調で、豪ドル円は78.80台、カナダ円は75.80台など前日高値を上抜ける動きとなった。ただ、市場では積極的なロングメイクではなく、これまでに蓄積したユーロショートなどの巻き返しとの見方が多い。日経平均は寄り付き100円超高となったがその後の伸びは限定的で、商いは低調なままだった。午後にかけてはユーロやポンドなどの買いは一服する一方、豪ドルは高止まりとなっている。ドル円は77.80付近でのこう着状態が続いている。ドル円のオプション・ボラティリティー1週間物は5%台の低水準となっている。このあとのロンドン市場では、ECBが初の3年物資金供給を実施する。市場では3000億ユーロ超などの大規模な資金供給を期待する声もでているが、東京市場午後は模様眺めとなった。

◆日銀は追加緩和実施せず
この日は日銀金融政策決定会合2日目だった。日銀は大方の予想通り金融政策および無担保コール目標を据え置いた。全員一致での決定だった。景気判断は、持ち直しの動きが一服している、とやや弱めだった。先行きは当面は横ばい圏内の動き、企業の業況感は全体として改善の動きが鈍化している、との認識。欧州ソブリン問題が世界経済の下振れもたらす可能性、米国経済は減速が長引く可能性、としている。発表を受けた市場の反応は、やや円安一服だったが、動きは限定的。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)