高さ632メートル・中国一高い「上海タワー」、29日に建設開始

上海中心の完成予想図〔AFPBB News〕

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 上海中心は、浦東エリアの上海金融街に建設される予定で、高さは632メートルと、「ブルジュ・ドバイ」の828メートルに次ぐ世界第2位の超高層ビルとなる予定です。

 デザインは、「龍」をイメージした螺旋式の建築様式が採用されていますが、この特殊な設計はビルにかかる風圧を24%削減させることができます。

 これにより、ビルを支える資材を大幅に削減させることができ、従来の建築資材を32%減らすことが可能となります。

 さらに、風力発電システムを設置することで、ビルで使用する電力の一部をまかなえるほか、雨水利用システムを設置することで、ビルの冷却効果や水まわりの節約効果につながるとされています。

 このほか、地下には熱放出システムと吸収システムが設置される予定で、現在世界最新の省エネ技術が存分に使用される計画です。

 このように、上海中心は環境への負荷を軽減した工法が数多く取られており、グリーンビルディングの最先端を走るプロジェクトとして、中国だけではなく世界中から注目されています。

環境評価システムの認定が上海で大幅に増加

 上海市には、2004年時点でLEEDの認定を受けた開発プロジェクトは1つもありませんでした。しかし、環境保護への政策転換が鮮明になるにつれ、年々LEEDの取得を申請するプロジェクトが増えています。

 2011年に入り、すでに46のプロジェクトがLEEDの認定を取得しています。専門家によると、取得数は2012年以降も順調に增加していくとのことです。

また、中国が独自に開発した環境評価システム「緑色建築評価標準」も、中国大手デベロッパーを中心に、取得を目指す動きが活発となっています。

 緑色建築評価標準は、3つ星、2つ星、1つ星とランク分けされ、最も評価の高い3つ星を取得すると、政府による補助金の支給があるからです。