8日の東京市場は、ECB理事会など欧州での重要イベントを控えて模様眺めとなった。朝方発表された日本の機械受注が落ち込んだことや貿易収支が2ヶ月ぶりに赤字に転落したことで、日本株は売られている。ただ、為替市場ではリスク回避の動きは広がっていない。ドル円は77.60-70レベルで膠着。ユーロ円104.00-10レベル、ユーロドル1.3400近辺での揉み合いが続いている。このあとのロンドン市場では、ECB理事会が開催されて政策金利などが発表される。また、EU首脳会談がワーキングディナーから始まる。欧州の動向を見極めたいとのムードが広がっている。各通貨ペアとも、ほぼ前日NY市場終盤の水準で揉み合っている。
◆豪ドル売り、弱い豪雇用統計で
豪ドルは、売りが強まった。11月の豪雇用統計で失業率が5.3%に上昇したことや、雇用者数が予想外の減少となったことが嫌気された。豪ドル円は79.80近辺から一時79.50割れ、豪ドル/ドルは1.0280レベルから一時1.0230近辺まで急落した。その後は下げ渋りとなっているが、上値は限定されている。香港ハンセン指数が一時1%超安となるなどアジア株が全般に軟調なことも豪ドルにとっては売り圧力になっていた。ただ、豪ドル円79円台、豪ドル/ドル1.02台など、水準自体は前週からの高水準を維持しており、全般的には大きな動きとはなっていない。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)