2日のNY市場はユーロや資源国通貨の売りが後半にかけて強まった。この日発表になった米雇用統計は底堅い内容で、更に今週のユーロ圏財務相会合で、ECBによるIMF経由での最大2000億ユーロ融資が協議されていたとの観測もあり、ユーロや資源国通貨は買いが強まった。

しかし、雇用統計発表後、しばらくして次第に上値が重くなり、見切り売りが加速した格好となった。特段の売り材料は見当たらなかったが、来週のEU首脳会談など重要なイベントリスクを控えて調整が出たものと思われる。

共通の厳しい財政規律を策定し、違反した場合は自動的な制裁も課される仕組みが検討され、監視体制も強化される。その導入を条件にECBが役割を拡大し、重債務国支援を更に強化するというシナリオまでが想定されている。ただ、実現性に懐疑的な見方も多く、予断は許さない状況ではある。

ユーロドルは朝方の1.3540近辺からストップを巻き込んで1.3365近辺まで一気に下落し、10日線を一旦割り込む場面も見られた。一方、ドル円はドル買いの動きから底堅かったものの、78円台の重さも印象付ける動き。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)