25日のロンドン市場でユーロは主要通貨に対して売られた。ユーロドルは10月4日以来、ユーロ円は10月10日以来の水準まで下落している。イタリア債やドイツ債など欧州債券が引き続き弱く、欧州債務懸念がユーロを下押しした。ユーロドルがユーロ安/ドル高に進む中、ドル円は77.40台と本日の高値圏で堅調に推移した。
イタリア債の入札があり、6ヶ月物と2年物で合わせて目標上限の100億ユーロを調達出来たが、共に落札利回りが前回より上昇しユーロ導入後で最高となった。流通市場では、ECBがイタリア債を購入したようだが価格下落に歯止めが利かず、2年物国債利回りは7.92%、5年物国債利回りは7.84%、10年物国債利回りは7.34%まで上昇し、短期金利が長期金利を上抜いている。本日は日英米の長期金利も上昇しており、国債不安が広がった格好だ。

本日は主要な経済指標はなかったが要人発言はちらほら。クーン・ベルギー中銀総裁は、現在の経済情勢が続けばECBは追加利下げを実施する見込みだとし、バイトマン独中銀総裁は、ユーロ圏内の中核国は危機にないとしドイツ債は依然高い需要があると述べた。ただ、市場の目立った反応は見られなかった。

Klugアナリスト 鈴木信秀