100年に1度の?「目に見える変化」

ソニー、3Dテレビを6月に発売 サムスンなど追撃

ソニーもこの6月に3Dテレビを投入〔AFPBB News〕

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 3Dテレビに家電業界が入れ込むのは、久々に消費者に売り込みやすい商品だからだ。動画を映し出すテレビの登場、白黒からカラーへの転換、そして平面から立体へ、という文字通り「目に見える」変化だ。「100年に1度の大変革」(大手メーカー幹部)との表現はやや誇張が過ぎるが、熱が入ってしまうのも無理はない。

 米調査会社アイサプライによると、3Dテレビの市場規模は、2010年の420万台から翌2011年には約1300万台に拡大する見込みだ。AV機器や家電の新製品は、そのシェアが市場全体の1割に達すると爆発的に普及する傾向がある。世界の年間テレビ出荷台数が現状の2億台強で推移するならば、3Dテレビは2012年に2700万台を超え、急成長への節目を越える。

 その後は、2013年に4400万台(市場規模478億ドル)、2014年に6000万台(同564億ドル)、2015年には7800万台(同644億ドル)と3Dテレビ市場が加速度的に拡大していく見通し。販売台数の伸びに比べて、金額ベースの伸びが緩やかなのは、価格競争と技術進歩で単価が下がるからだ。

需要拡大、起爆剤はやっぱりアダルト系?

 2010年は「3Dテレビ元年」と呼ばれる。3Dテレビのハードが市販されることだけが理由ではない。普及のカギになる3Dコンテンツも一気に充実するからだ。3D対応の劇場映画だけでも、2008年の8本から2009年は20本に増え、2010年はそれを上回りそう。公開数カ月後には、3Dブルーレイソフトとなって店頭に並ぶことになる。

米ESPN W杯南アフリカ大会を3Dで放送

米ESPNは2010年のサッカーW杯南アフリカ大会を3D中継する(開幕戦が行われるヨハネスブルクのサッカー・シティー・スタジアム〔AFPBB News

 さらに、3Dテレビ番組放送も始まる。米衛星放送大手ディレクTVはパナソニックの支援を受けて、2010年6月に3D番組を配信する予定。米メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニー傘下のスポーツ専門放送局ESPNは、同月に開幕するサッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会を3D中継する計画を発表済みだ。

 また、ソニーは、米ケーブルテレビ局ディスカバリー・コミュニケーションズ、映画館運営アイマックス・コーポレーションと均等出資の合弁会社を設立。2011年中に24時間体制で3Dテレビ番組を放映するテレビ局を稼働させる方針だ。