3日のロンドン市場は、欧州株が上昇するリスク選好の動きとなっている。序盤はギリシャ国民投票などへの懸念からアジア
株が下げ、欧州株も下落して始まった。ユーロドルは1.36台半ば、ユーロ円は106円台後半へと下押しした。しかし、次第に欧州株が下げ渋り、英FT指数、独DAX指数といった主要株価指数が上昇に転じると、市場にはリスク選好ムードが優勢になった。ユーロドルはアジアタイムの高値を上抜けて1.38台乗せ、ユーロ円は108円手前まで反発した。この日発表された英サービスPMIは市場予想に届かなかったが、ポンド売り反応は一時的で、ポンドドルは1.60台乗せ、ポンド円は125円近辺まで上昇してNY市場を迎えている。

ギリシャ国民投票については、情報が入り乱れている。昨日からギリシャ議会ではパパンドレウ首相辞任要求が相次いでいる。同首相側近によると国民投票を取り下げるとの観測も流れた。ユンケル・ユーログループ議長は、ギリシャが何が何でもユーロ圏に留まるべきとはいえない、我々は、仮にギリシャが離脱したとき、いかにユーロ圏メンバー国が被害を受けないかを考えている、と述べている。市場は混乱を警戒しつつも、ギリシャ後の対応を前向きに考え始めたようだ。この後は、ECB理事会の政策金利発表やドラギ新総裁の会見が控えている。また、G20が4日まで開催される。まだまだ、市場の不透明感は高い。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)