9月6日「外国人就業者も中国の社会保険に強制加入」しなければならないという、「中国国内就業外国人の社会保険加入に関する暫定弁法」が発表され、10月15日に施行された。

 7月に施行された「社会保険法」がベースで、実際どれだけ払うかは各省市の細則によるが、だいたい給料の4割前後となる(これは中国人にも当てはまる)。

毎月の年金の負担額が平均月収を上回る

社会保険費用が高すぎることを示唆した絵

 日本人が多く駐在する上海の場合、1人当たりの会社と個人の合計負担額は上海人の平均月収以上となる月5610元(約6万7500円)となるという(平均月収が上海の平均月収の3倍以上である場合)。

 日中間の社会保障協定の締結はまだのため、社会保険料を日本と中国で二重に支払う必要があり、かつ保険期間は通算されるわけではないことなどが問題視されている。

 上海など日本企業が多い地域では、早速ジェトロなどによるセミナーが行われるなどしている。が、日系企業が少ない地域では関心はあるものの手探り状態だ。

 中国に骨を埋める気のない日本人にとって中国の社会保険は、払ったところで中国の社会保障制度から受けられる恩恵は少ない。

 しかし当の中国人にとっても社会保険は、特に多くの若い世代にとって、正体が見えない無用の長物だ。

 中国社会保険が注目を浴びているようなので、日系企業向けの対策はその道のプロに任せるとして、中国庶民の目線で中国人にも不透明な中国の社会保険の話を書いていこう。

 社会保険は「基本養老保険、基本医療保険、失業保険、生育保険、労災保険」からなる。養老保険は年金、医療保険は健康保険である。