21日の東京市場は、EU首脳会議の行方を見極めたいとのムードが強く、模様眺め気分が広がった。市場で最も注目されているユーロは狭いレンジ取引となっている。ユーロドルは1.37台後半、ユーロ円は105円台後半での取引が中心。昨日の海外市場で神経質に上下動しただけに、相場には疲れもみえてきているようだ。ドル円は76円台後半でのこう着状態。日本政府が第3次補正予算案を閣議決定し、円高対策として2兆円規模が計上された。為替介入資金も増強されている。しかし、市場は反応薄だった。

そのような中、値動きが目立ったのがスイスフランだった。ユーロスイスが1.23割れから一気に1.22近辺へと下落した。ドルスイスも0.89割れへと水準を下げている。市場では特段のスイスフラン買い材料は見出せていないが、オプションのトリガーをヒットするなどポジション調整が進んだとの見方がでている。スイス中銀のユーロスイスの下限設定(スイスフランの上限設定)措置があるだけに、市場にはスイス売りポジションが蓄積しやすいとの指摘があった。

朝方発表された9月の英ネーションワイド消費者信頼感は4月以来の悪化、一方、第3四半期の豪輸入・輸出物価指数は輸入物価が前期比変わらず、輸出物価が予想以上の4.0%の伸びだった。いずれも為替市場は反応薄だった。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)