一体、いつから民主党は「小沢独裁政党」に成り下がってしまったのか。幹事長・小沢一郎に媚びへつらう同党議員の行動には呆れるばかりだ。「捜査情報の漏洩」を調査するチームを党内に設置したり、鳩山内閣の政務官を含む若手が勉強会を開いて「逮捕は暴挙」と息まいたり、さらには党幹部が容疑者の取り調べ過程を録音・録画して可視化する法案の今国会提出を検討すると発言したりしている。(敬称略)
小沢の政治資金問題にメスを入れる東京地検特捜部に対し、それを牽制しようという民主党の意図は見え見えだ。党として小沢を支援し、検察の捜査に政治的圧力を掛けようとしているのだ。異様としか言いようがない。
小沢の元秘書で身内の国会議員が逮捕され、慌てふためいて右往左往している民主党は無様である。この人たちは誰を見て政治を行っているのか。民主党支持者は決して「民主党VS検察」の対決を望んでいないだろう。
2010年1月19日、国会で各党の代表質問が始まった。質問のトップバッターに立った自民党幹事長・大島理森は首相・鳩山由紀夫や小沢の「政治とカネ」の問題をめぐり、「小沢幹事長、民主党、首相の自浄能力が問われている」と追及した。
しかし残念ながら、民主党のどこにも自浄能力なんてない。小沢が説明責任を果たすよう求める声は出ても、あくまで小沢が自発的に国民に対して説明するよう期待感を示しているだけだ。
その小沢は検察の事情聴取に応じる意向を示した模様だ。それはそれで結構なことである。やましいことがなければ、さっさと自ら事情聴取を受け、身の潔白を証明すればよい。
民主党チーム、検察リークを調べて小沢捜査を牽制
問題なのは、検察官出身の民主党広報委員長・小川敏夫の下に設置された「捜査情報の漏えい問題対策チーム」である。
小沢の資金管理団体による土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件に関し、検察当局による報道機関への情報漏洩が行われているのではないかとして、このチームが関係者から聞き取り調査をするという。1月18日の党役員会で設置が決まり、誰からも反論が出なかったらしい。今の党役員を人選したのは小沢であり、小沢の腰巾着ばかりだからだ。
検察当局の誰が捜査情報を漏らし、メディアの誰に伝わり、どうやってニュースが流れるかを本気で調べようというのだろうか。「リークは国家公務員の守秘義務違反」などと追及するというが、捜査関係者がリークしたと認めるわけがないし、メディアも取材源を明らかにするわけがない。