4日のロンドン市場は、欧州株が大幅安となり、リスク回避ムードが広がっている。週末のギリシャ財政赤字目標を達成できずとの報道に続いて、昨日のユーロ圏財務相会合では6回目のギリシャ支援の合意に至らなかった。また、この日はベルギー・フランス金融大手デクシアの経営状況が悪化しているとの見方も欧州株安を招いた一因となっていた。同社株は一時32%安となった。仏政府など関係国は火消しにまわっており、その後は下げ渋っている。ただ、欧州株全般は引き続き軟調で、独DAX指数は4%、英FT指数は3%超の下落となっている。

為替市場ではドル買い・円買いの圧力が優勢で、ユーロドルは一時1.3150割れ、ユーロ円は100.80レベルまで売られた。ただ、ユーロ買い・ポンド売りが強まるとユーロの下げは一服している。ベロゼニス・ギリシャ財務相は、改革についてトロイカ(EU/IMF/ECB)調査団との協議が継続中、デフォルトに向けた協議はない、と述べていたが、ユーロを積極的に買う動きはみられていない。豪ドル円は72円台前半へ、豪ドル/ドルは0.94台前半へと一段安になっている。豪ドルにとっては、東京タイムに発表された豪中銀声明で利下げの可能性も示唆されたことが上値を重くした面もあった。ドル円は引き続き76円台後半にこう着している。

◆ポンド売り、弱い英建設業PMIを嫌気
ポンドは各主要通貨に対して弱い動きとなっている。ポンドドルは1.53台後半、ポンド円は117円台後半へとこの日の安値を更新している。ユーロポンドも0.85台前半から後半へと上昇した。欧州株安で全般にドル高・円高圧力が強いが、ポンド独自の材料としては英経済指標の弱さが指摘されよう。日本時間17時半に発表された9月の英建設業PMIは、50.1と前回8月の52.6および市場予想51.6を大幅に下回り、景気判断の基準50割れ寸前まで低下した。2010年12月以来の低水準だった。また、市場では、9月末からユーロ売り・ポンド買いが加速していたことから、ポジションの巻き返しも入っているとの見方があった。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)