2日に発表された米9月の雇用統計は、全面的に悪い内容になった。市場では、ニューヨークダウ工業株30種平均の下落幅が最終的には前日比▲21.61ドルにとどまったものの、終値は9487.67ドルで、約1カ月ぶりの9500ドル割れ。一方、3.10%まで一時低下した米10年債利回りは、株価が下げ渋ったほか、一連の国債入札を前にした警戒感から、3.2%台に売り戻されて取引を終了した。だが、前日に米9月のISM製造業景況指数の低下が発表された時点で、景気楽観論と景気悲観論の対決については後者の勝利ということで決着したものと、筆者は受け止めている。したがって、今回の雇用統計悪化は、「ダメ押し」的な位置付けということになる。

 非農業部門雇用者数は▲26万3000人で、市場予想中心よりも大きく下振れた。マイナス幅は3カ月ぶりに拡大。前月・前々月分は、計▲1万3000人の下方修正になった。雇用者数の減少は21カ月連続で、過去最長記録を更新している。この間の雇用者減少数の累計は▲720万5000人。