14日のNY市場はドル買い戻しが優勢となった。2日目のバーナンキFRB議長の議会証言が上院で行われたが、議長は、追加緩和第2弾(QE2)導入時とは違い、現段階ではインフレ上昇から追加緩和の用意はないと、消極的な姿勢を示したことで、ドルの買戻しが強まった。

ドル円は小幅ながらも底堅い展開となり、一時70.30近辺まで上昇。一方、クロス円は軟調に推移している。ユーロ円は111円台後半に下落し、豪ドル円は84.65近辺まで値を落とす動き。

この動きにユーロドルも高値から100ポイント超下落し、一時1.41台前半まで値を落とす動きとなった。東京時間には1.42台後半まで上昇し、21日線付近まで回復していたが、跳ね返された格好。きょうのローソク足は長い上髭をつけている。再び下値模索に突入するのか、明日の動きが警戒される形状を描いている。

◆恐らく証言内容は前日と変化無し
恐らくバーナンキ議会証言の内容は前日と変化は無いだろう。前日は追加緩和の可能性への言及に市場の期待感が先行した格好だったが、きょうは過度な期待にブレーキをかけたものと思われる。引締め、緩和、全てに選択肢がある状況で、中立ということを強調したかったようにも感じられる。これ以上の追加緩和に対する効果に疑問も出ている中、議長も、追加緩和は必要なく、現在の問題の構造を踏まえると効果はない可能性も指摘していた。

いずれにしろ、今は、この先の7月、8月の指標を確認したいといったところが本意と思われる。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)