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空前の「婚活」ブームだという。結婚相手を探すためのイベントやサービスが相次いで登場して関連企業の業績は活況。少子化対策につながると行政まで相乗りしている。その裏に不況の長期化や格差の広がりという深刻な問題があることを忘れてはいないか。
野球場で婚活！？
7月11日の札幌ドーム。いわずと知れた北海道日本ハムファイターズのホームグラウンドだ。千葉ロッテマリーンズを迎えての2連戦の初日だが、この日は別の意味で注目を浴びた。
バックネット裏のC指定席に男女計300人が交互に座って席を埋めている。野球観戦に来た独身男女に出会いの場を提供しようと日ハムが売り出した「KONKATSUシート」だ。翌12日分と合わせて600席。1人2000円のチケットを買って集まったのは結婚相手を探しているいわゆる「婚活」中の男女。
試合中、1回裏、2回裏、3回裏、4回裏終了時に席を移動する「シャッフルタイム」があり、気の合う相手を見つけることができる。ペアチケットなどが当たる抽選会や一斉にファイターズの応援フラッグを掲げるという共同作業もある。観戦の様子は大型ビジョンに映し出される。これをきっかけにめでたくゴールインしたカップルには後日、始球式の権利がプレゼントされる。
日ハムが「球界初」と胸を張るこのシートは大きな反響を呼んだ。5月18日から31日まで球団ホームページや携帯電話用公式サイトで参加を受け付けたところ、女性枠は初日に完売。男性の応募が初日は十数人しかなかったのと対照的な動きを見せた。結局、締め切りまでに計2860人の応募があり、反響に驚いた球団側は当初男女合計400席だったシートを600席に増やした。
7月のイベント終了後も問い合わせが相次いでいるため、日ハムは9月の大型連休中の埼玉西武ライオンズとの3連戦でも第2弾の「KONKATSUシート」を札幌ドームに設置する方針だ。
少子化にブレーキ！ 自治体も「出会い」を応援
就職活動の「就活」をもじって、より良い結婚のために活動を行う「婚活」という言葉は、昨年3月、中央大学の山田昌弘教授とジャーナリストの白河桃子氏の共著によるベストセラー『「婚活」時代』（ディスカバー・トゥエンティワン刊）から広まったとされる。
NHKが今年4月に桜井幸子、清水美沙、国生さゆりが出演する「コンカツ・リカツ」を金曜夜9時に放送すると、フジテレビもこの春、視聴率の高い月曜9時から中井正広、上戸彩主演で、結婚相手探しに奔走する主人公を描いたドラマ「婚カツ！」を放映。
5月に入ると世相を反映した特製商品で話題を提供するのが得意なトリンプ・インターナショナルが、「婚活ブラ」を発表した。結婚目標日までの時間をカウントする時計が埋め込まれ、晴れて結婚が決まった時に胸の中央のハート部分に指輪をさし込むと、ウエディングマーチが流れる趣向だ。
