いま、日本中で地域ブランド構築への取り組みが盛んになってきています。
「農商工連携」「地域資源∞全国展開プロジェクト」「地域団体商標」など、地域ブランドに関係する支援策や施策などが、5年ほど前から続々と登場してきました。その結果、地域色が豊かな商品が、あちらこちらで見かけられるようになってきました。
東京の百貨店を見ると、毎日どこかで地域産品のフェアが開催されています。そして実際に足を向けてみると、結構どこも人でにぎわっています。まさに今、地域ブランドのブームが起きているのです。
「特産品を使って商品開発を行いたい」
先日もある地域から「地域の特産品であるフルーツを使った、商品開発を行いたい」という相談が来ました。
詳しく担当者に聞いてみると、どうやら「特産品開発をする」という方針だけは決まっているものの、実際に何を使い、何を作るかはこれから考えるという段階です。
「何かいい案や方法はありませんか?」と、逆に質問されてしまいました。
地域ブランドの構築は、今、日本全国の各地が取り組んでいますから、早く手を上げて動き出さないと地域間競争に負けてしまいます。あせるのも分からなくもありません。
まずはセミナーで関係者の意識喚起を行い、それからみんなで知恵を寄せ合って、1年から2年ぐらいかけて、農産品や工芸品などを使った特産品を作ろう、ということのようです。
地域ではそこそこ売れるかもしれないが
農産品を使って商品を作ることはそれほど難しいことではありません。例えばミカンを使ってジュースを作る、ゼリーを作る、あるいはミカン入りのヨーグルトを作るなど、そこそこのものは簡単に作れるのではないでしょうか。そして、それほど高くなければ、その地域ではそこそこ売れると思います。
ところが、その商品を地域外、例えば東京で売ろうとすると、話は変わってきます。
東京にはいろいろな商品があふれ返っています。類似商品も数多く存在しています。そういう過当競争の市場において「売れる」ことは容易ではありません。