格付け会社ムーディーズは5月18日、日本国債の格付け体系を統一。日本政府の自国通貨建て債務(JGB)の格付けを従来のAa3からAa2に1ノッチ引き上げる一方で、外貨建て債務の格付けは従来のAaaからAa2に2ノッチ引き下げた。アウトルック(格付け見通し)は安定的とされた。

 他の海外格付け大手2社の現在の自国通貨建て日本国債格付けを見ると、S&PがAA、フィッチがAA-となっている。ムーディーズによる格付けが3社の中で1社だけ突出して低い状態は、昨年6月末の格付け引き上げでフィッチと横並びになることで、すでに解消されていた。今回の格上げで、ムーディーズの格付けはS&Pと横並びで、最も高い位置を占めることになった。

 市場では格上げ公表前、ムーディーズは自国通貨建て日本国債を格下げするのではないか、という見方が出ていた。実際、昨年6月末に格付けが引き上げられた際のプレスリリースに書かれていた下記のような諸点がその後どうなったのかを考えてみると、そうした思惑が出ていたのは、不自然なことではなかった。