自動車業界が直面する日本車不買と貿易収支赤字 スモールカーの現在と進化の道筋(前篇) 2012.11.30(金) 両角 岳彦 フォロー フォロー中 Tweet この写真の記事へ戻る 対世界 輸出入額及び差引額の推移(財務省 貿易統計 ホームページより)。世界的好況(バブル景気)によって輸出入ともに伸長し、貿易収支(差引額)の黒字額も大きかった状況がリーマン・ショック(2008年)に一転したこと、そして2011年の赤字は30年振りのものであることが示されている。2012年も赤字が続く。 拡大画像表示 2011年3月の大震災・原発事故を挟んだ2年半の各月に日本全体で供給された電力とそれをどう作ったか、発電方式の内分けを示す(電力事業連合会の公表データより作成)。今年の夏場は去年と比べて若干の減少は見えるが・・・。原発が稼働していない分は火力で作っている(現状、それ以外にない)ことも明白だ。脱・原発をどう進めるか、国のあり方のグランドデザインから始めて数十年スパンのプランを組まないと。 拡大画像表示 火力発電に使った燃料をそれぞれの総量に発熱量を掛け算して積み上げたグラフ。液化天然ガス(LNG)への依存度が大きいことは明らかだが、それ以上に2011年4~10月と比較して、2011~12年の冬からこの夏にかけて、発電のために使った燃料の総量が大幅に増えている(基本的には原発代替分だが)ことに着目してほしい。もちろんCO2排出量もその分だけ増えている。 拡大画像表示 財務省 貿易統計の主要輸出入品目の資料から、1995年以降の自動車の全世界に向けた輸出金額と、原油(他)と液化天然ガス(LNG)の輸入金額を抜き出して重ねてみた。ここでもリーマン・ショックの影響がいかに大きかったかが表れているが、自動車輸出の回復は鈍い一方で、燃料輸入に費やす金額の増加は大きい。特にほぼ発電(と都市ガス)に使われているLNGは、2012年は価格の上昇もあって2011年のさらに1.5倍に増えるペースである。 拡大画像表示