日本主導の自由貿易協定に加入したいが福島県産水産物の輸入は…

 一方、実務面に目を移せば、日韓首脳会談後の共同発表では触れられていなかった韓国の「包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)」加盟が、韓国メディアでは次なる関心事として浮上している。

 魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は、「首脳会談で(韓国の)CPTPP加入に対する議論があったのか」という記者の質問に対し、「韓国がCPTPP加入を推進しているという意思を再確認した」「韓国の基本的な接近方向を話し、肯定的なトーンで議論された」とした後、「今後の実務者間協議がさらに必要な問題と見られる」と話した。

 CPTPP加入のための前提条件として議論されている福島県をはじめとする日本の一部地域の水産物輸入規制問題に関しても「食品安全に対する日本側の説明があった」として、「私たちはこの説明を聴取した」と答えた。

 この問題については、金南俊(キム・ナムジュン)スポークスマンもラジオに出演し、「日本は日本側の立場を説明し、私たちはそれを傾聴する席だった」とし、立場が平行線を辿ったことを示唆した。

 李在明政権としては、福島県産の水産物輸入は「自己否定」に近い決断となる。

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権時代、日本産水産物を「放射能汚染水産物」と表現し、韓国各地を巡りながら「決して韓国国民の食卓に上ることがないようにする」と福島県産水産物に対する恐怖感を刺激して回った李大統領本人が、その3年後に「日本水産物は安全なので輸入しよう」などと立場を翻すこととなれば、韓国国民を説得できないだけでなく、国際的にも「信頼できない指導者」と映る恐れがある。

2023年9月、当時、最大野党「共に民主党」の代表だった李在明氏は、福島第一原発の処理水放出に抗議するためのハンストの19日目に体調を崩し、担架に乗せられ病院へ救急搬送された(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 それでも李在明政権をCPTPP加入に突き動かすのは、以下のような3つの理由があるからだ。