25日の東京市場では、朝方、円安の動きが優勢となりドル円が82円台でしっかり、ユーロ円gな115円台後半をつけるなどの動きが見られた。前日の海外市場での独指標の強さなどからリスク懸念がやや後退、円安株高になるとの期待感が見られた。
また、午前8時50分に発表された4月の日本の貿易収支が、震災の影響による輸出減輸入増の影響で、4月としては1980年以来となる貿易赤字を記録するとの観測も、円売りに拍車をかけていた。
貿易収支の結果は、赤字自体は記録したものの、赤字額が予想よりかなり少なく、ドル円が82円割れとなるなど、逆に円安を牽制する形に。
この動きがきっかけとなって、その後円高が進行する展開となった。
トヨタの生産見通し前倒し回復などを好感して、寄り付きからプラスとなった日経が、その後マイナスに転じたほか、原油先物が1%超の下げを示現するなど、リスク回避的な動きが優勢となる中で欧州通貨売り、オセアニア通貨売り、円買いの動きとなった。

◆ギリシャ懸念根強い
レーン欧州委員が債務延長の可能性について発言するなど、状況は依然深刻で、市場の懸念も根強いものとなっている。
その他大きな材料が出たわけではないが、円高、株安、商品安の背景となっていた。

◆日本の貿易収支が話題に
珍しく日本の経済収支が市場の話題となった。
午前8時50分に発表された4月の貿易収支は、東日本大震災による生産/流通設備の被害や海外での風評被害の影響で輸出が減少したことに加え、国内需要においても代替品としての輸入増が見込まれたため、4月としては第二次石油ショックの1980年以来となる貿易赤字となった。
もっとも、4月上中旬の貿易赤字額が7000億円を超えており、予想も同様の物であったのに対して、4637億円の赤字にとどまったことで、発表後は円買いの動きが強まる場面が見られた。