2日の東京市場でドルは買い戻しが入った。アメリカで2001年9月に発生した同時多発テロの首謀者、国際テロ組織「アル・カーイダ」指導者のウサマ・ビンラディン容疑者の死亡が複数のメディアで報じられると市場参加者はドル買いで反応した。また、NY原油先物は113ドル台から112ドル台に下落、米株価指数先物、米長期金利は上昇するなどリスク回避と選好が入り混じる展開となった。ドル円は81.69近辺と先週金曜日の高値を一時上抜けした。またユーロドルは1.4800を割り込んで推移した。その中、クロス円は堅調に推移している。
朝方は先週からのドル安の流れを引き続きドル円は3月25日以来の81.00近辺まで一時下落する場面があった。またドルスイスは過去最安値を更新、豪ドル/ドルは1.10台と変動相場制移行後の高値を更新した。
◆ウサマ・ビンラディン容疑者の死亡はドル買い?ドル売り?
本日はウサマ・ビンラディン容疑者の死亡報道でドルは買われた。一部CTA(商品投資顧問業者)が商品を売ってドルを買っていたという。また米株価指数先物は買われ米債は売られた(利回りは上昇)。だが今後の展開を考えると米株やドルを買うのは難しい点があるだろう。米国務省は殺害を受け「反米行動のリスクが高まっている」とし、海外在住の米国人に警戒を呼び掛けた。テロリストなどの反米運動の高まりを受けて市場参加者がドル資産を手控える動きが出ることを注意したい。
Klugアナリスト 鈴木信秀