「預金なら安心」って本当なの? 「元本保証」って、実際に何を保障してくれるの? 実は、現金にもリスクが潜んでいるのです。本連載ではそんな「現金のリスク」を切り口に、お金のほんとうの価値を守るための資産運用について考えていきます。今回のテーマは「積立投資」。お金の価値を維持する手段として、積立投資の「実力」を探ります。
この度の新型コロナウイルスにて亡くなられた方にお悔やみ申し上げると共に、罹患し闘病されていらっしゃるご本人様、並びにご家族様にお見舞い申し上げます。
また、外出の自粛ゆえにお仕事や事業の縮小を余儀なくされた方、あるいは続けることが困難になられた方にも重ねてお見舞い申し上げます。
ところで、読者の皆さんの中にも(筆者と同じように)お仕事や収入にご苦労されている方もいらっしゃると思います。そのような方の中で、投資信託や株式などをお持ちの方の中には、今の状況を踏まえ「売ってしまった方が良いのなか?」とお迷いの方もいらっしゃることでしょう。あるいは、積立投資をなさっていらっしゃる方の中には「積み立てをやめた方が良いのでは?」という方もいらっしゃるかもしれません。
叶うことなら、FP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家の助言を得た上で、打つべき手を検討なさることをお勧めします。
さて、重いお話が続きました。今日は、特に積立投資をなさっていらっしゃる方、あるいは30歳代~50歳代前半の、お若い方にお届けしたい内容です。
ドルコスト平均法と冷戦時代のヨーロッパの富裕層
さて、いよいよお待ちかね!の「積立投資」のお話です。
すでに積立投資を始められた皆さん、特にお若い方、今は「不安」でいっぱいですよね?
しかし、そんな不安は、「(不安が)当たらなければ、どうということはない!」ですよ。
(なんだ、本稿はアニメ名言集になっている?)
積立投資の別名を「ドルコスト平均法」ともいうのは、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。
投資に詳しい方ならよく耳にする名前だとは思いますが、そうではない皆さんの心の中は、「ドル?」とか「コスト?」と、はてなマークで一杯ですよね、きっと。
話は飛びますが、20世紀後半のヨーロッパでは、今で言う「純金積立」が富裕層のトレンドでした。
20世紀後半の世界が「東西冷戦」の時代だったのは、お若い方も歴史の教科書などでご存知ですよね? ヨーロッパでは「冷戦が現実の戦争になった時の備え(=リスクヘッジ)の一環」として、「金(=ゴールド)」を持つことが富裕層の常識でした。
我が国でも、未だ冷戦下の1980年代に「199X年、世界は核の炎に包まれた」のセリフで始まるアニメが放映されていましたが、冷戦が現実の戦争になる、つまり「核戦争が現実に発生した」時のリスクヘッジとして金を保有していた、ということなのです。
「お札は核の炎に包まれると燃えてしまうが、金は核の炎に包まれても耐え抜くことができる」と信じられたのです(真偽のほどは分かりません。試さないでくださいね)。それにゴールドなら自身の名前を刻印することもできますし。