原作:武論尊先生、漫画:原哲夫先生の『北斗の拳』には、資産を大きく増やすヒントが満載です。

<ジャンプコミックスは全27巻。2018年9月にはスタート35周年を迎えた>

 週刊少年ジャンプに1983年から1986年まで連載された『北斗の拳』は、核戦争で文明が消え、暴力が支配する弱肉強食社会となった199X年の世界が舞台です。

 主人公のケンシロウは、一子相伝の暗殺拳「北斗神拳」の伝承者として、敵に奪われた愛するユリアを取り戻すため、荒野をさまよいます。途中では、乱世に覇をとなえる様々な流派の拳法家や力自慢と闘いつつ、弱き者を救い続けます。

 作品の魅力は、個性豊かな登場人物たち。35周年記念サイトでは、人気アクセスランキングを発表しています。記事執筆時点のランキングを見ると、1位:ラオウ※1)、2位:ジュウザ※2)、3位:レイ※3)は順当なところ。主人公が6位という結果からも、キャラクターの充実ぶりがうかがえます。

 『北斗の拳』の連載当時、筆者は中学生。プールの授業で南斗紅鶴拳の達人・ユダ※4)のマネをして、「切れろ、切れろ、切れろ――!」と奇声をあげたら、キレた体育教師から拳骨を浴び、「ひでぶ!」と叫んだら、もう一発くらいました。

 ケンシロウは最強の暗殺拳「北斗神拳」の使い手なので、ムチャクチャ強いのですが、たまに負けます。しかし、その敗北を糧に、必殺技と精神に磨きをかけ、救世主として成長していくのです。ケンシロウは、彼らライバルたちを、自分を成長させてくれる存在と受け止め、敬意を込めて「強敵とも」と呼びます。

 このケンシロウの考え方は、実は、投資信託の積立投資にも通じます。

 積立投資は、毎月決まった金額で投資信託を購入する仕組みです。投資信託の価格が下がる局面では、口数(投資信託の取引単位)を多く仕込むことになります。

 自動的に買い付けていくので、安いタイミングを逃しません。価格が安いうちに口数をためておくと、将来、価格が上がったときに大きな収益が期待できます。値下がり時に、資産を増やすチャンスが訪れるのが積立投資といえるでしょう。

 値下がりも生かしながら、資産を増やす可能性を高めるのが積立投資です。

 2019年1月の大相撲初場所で、人気横綱・稀勢の里が引退しました。稀勢の里は『北斗の拳』の大ファンで、横綱昇進時には化粧回しを登場人物で制作。太刀持ちがケンシロウ、露払いがトキ※5)、そして自らはラオウの化粧回しをつけました。

 引退会見では「私の土俵人生において一片の悔いもございません」とキッパリ。これはラオウの名セリフ「我が生涯に一片の悔いなし」から。皆さまも積立投資で、「我が資産形成に一片の悔いなし!!」と右手を突き上げましょう。

※1 ラオウ
北斗神拳の伝承者候補として、師匠リュウケンの養子となった北斗四兄弟の長兄。伝承者に選ばれたのは主人公である末弟ケンシロウであったが、伝承者争いに敗れた者は自らの拳を封じられるという北斗の掟に抗い、「世紀末覇者拳王」を名乗って核戦争後の世界を暴力と恐怖で支配し、ケンシロウと対立する。当初ケンシロウはラオウに歯が立たなかったが、成長して強くなり、やがて打ち負かすという、少年ジャンプ黄金時代の王道パターンを代表する好敵手であった。

※2 ジュウザ
南斗六聖拳の「南斗最後の将」を守護する5人の戦士「南斗五車星」のひとり、雲のジュウザ。五車星のうちで最強の実力を持ちながら、宿命にほんろうされず、雲のように自由に生きようとする姿が、宿命に殉じる他の登場人物とは一線を画し、登場回数は少ないながら高い人気を博した。

※3 レイ
南斗六聖拳のひとつ「南斗水鳥拳」の使い手。当初はケンシロウの敵として現れたが、その後ケンシロウと行動をともにして、愛する女性のために命を賭けて戦うことになる。作中では話を追うごとに美形に描かれるようになり、作者にとっても非常に思い入れの強いキャラクターであった。

※4 ユダ
南斗六聖拳のひとつ「南斗紅鶴拳」の使い手であり、自分が誰より美しいと信じて疑わないナルシスト。男性でありながら長い髪と濃いメイクが特徴の、今で言うオネエキャラ。前述のレイとは水中での死闘を繰り広げ、「切れろ切れろぉ」はそのときにユダが発した有名なセリフ。

※5 トキ
北斗神拳の伝承者候補として、師匠リュウケンの養子となった北斗四兄弟の次兄。ラオウとは実の兄弟。核戦争が起きたとき、ケンシロウたちを核シェルターの中に逃して自らは「死の灰」を浴び、病に冒されながらも生き延びた。ラオウとの戦いは作中屈指の名シーン。トキに扮して悪事の限りを尽くし、最後はケンシロウに倒された「アミバ」も人気キャラのひとり。