「フェイスブック」誕生の経緯を扱った話題の映画「ソーシャル・ネットワーク」が1月15日に日本で公開されたと思ったら、翌週には経済誌の「エコノミスト」と「ダイヤモンド」がフェイスブックを特集。まるで図ったような流れだ。いや、図ったのだろう。

 ダイヤモンドが昨年ちょうど同じ時期に出した「ツイッター」特集号はスマッシュヒットとなって、よく売れたという。今回の「フェイスブック」特集は、その「ツイッター」特集を超えた模様だ。

まるで去年のプレイバックを見るかのよう

 思えば、ダイヤモンドの特集を境にメディアのツイッターへの注目度が一気に高まり、国内の「つぶやき」人口は爆発的に増えていった。今や1000万人を超えたとも言われている。

 そんな昨年が「ツイッター元年」なら、今年は「フェイスブック元年」であるらしい。

 ツイッターの時と同様、これからメディアがまたひとしきり大騒ぎするのは火を見るより明らかだ。それに煽られて国内のフェイスブックのユーザーは倍々ゲームで増えていく。

 実際、僕のフェイスブックのアカウントにもダイヤモンドの特集の発売日から続々と「友だちリクエスト」がなだれ込んできてびっくりした。

 企業PR関連の仕事をしている僕のところには、これから夏場に向けて、商魂逞しい人々からフェイスブック関連の売り込みが活発化してくるだろう。昨年はツイッター関連の売り込みが引きも切らなかった。何もかも、まるで去年のプレイバックを見ているかのようだ。

 もっとも、うちでは基本的にその手の商談はたいてい門前払いしている。相手にとっても無駄な時間を使わせるだけだからだ。少なくとも今のところ、ソーシャルメディアに手を出したところで企業としてはあまり得することもないというのが、ここ数年の経験から学んだことである。

 ツイッターで商品PRをするために広告代理店に何百万円も払って、Ustreamまで使ったイベントをやった大企業を知っているけれども、それに見合う売り上げにつながったとはとても思えない。たぶん同じ金額で新聞の折り込みチラシでも打った方が、はるかに効果があったことだろう。