中国の沿岸部から内陸部に至るまで、およそ都市という都市では市場がネットに侵食されつつある。これまでブランドショップや家電量販店や電脳街などで購入をしていた若い消費者がオンラインショッピングに流れているのだ。

店舗から中国の若者の姿が消えた?

インターネット利用者数(青)とオンラインショッピング利用者数(赤)の推移

 以前、こうしたリアルな店舗の客は若者が多かった。しかし、最近は売り場でお洒落な若者の姿を見ることがめっきり少なくなった気がする。

 わずかな期間で店の変化がはっきり認識できるほど、オンラインショッピングの利用者が急速に増えているのだ。

 まずはデータを紹介しよう。

 中国のオンラインショッピング利用者は、インターネット利用者4億5700万人の35.1%に当たる1億6051万人(CNNIC調べ)。1年前の調査結果では1億800万人、2年前の調査結果では7400万人なので、いかに急激に利用者が増えているか分かるだろう。

 そのほとんどが「淘宝網(TAOBAO)」というサイトを利用する。

ネットショッピングへの不信感

淘宝網の利用者が圧倒的に多く全体の76.5%を占める

 中国では淘宝網を「個人対個人取引(C2C)」と称しているが、企業が同サイトでネット店舗を運営するケースが当たり前となっているので、オークション形式ではない即落札のヤフーオークションのようなものだと思えばほぼ間違いはない。

 ただし、このサイトは利用者は多いのだが、実はここで頻繁にオンラインショッピングを利用する消費者はそう多くない。1回当たりの購入額は500元(約6500円)以下がほとんど。

 中国在住の筆者の実感としても、たまに頻繁に買い物をする人は見かけても、高い買い物をしている人は滅多に見られない。

 この原因として不信感がある。