米グーグルが地域企業向けの広告事業に力を入れていると米ウォールストリート・ジャーナルが報じている。営業担当者を数百人規模で雇い入れ、地域のレストランやホテル、小売店などに電話セールスを行っているという。

地域企業向けに固定料金を導入

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米グーグル、大規模な電話セールスを展開〔AFPBB News

 従来グーグルは、セルフサービス形式で広告を販売してきた。営業担当者を介さない、自動販売システムを広く浸透させたのがほかならぬグーグルなのだが、その同社が電話セールスという昔ながらのマーケティング手法を選ぶとは驚きだ。既にアリゾナ州のテンペにあるオフィスでは100人規模の電話スタッフ体制を整えているとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 その理由は様々にあるようだが、グーグルが顧客層をハイテク分野に精通していない企業にまで広げようとしていることが考えられる。「アドワーズ(AdWords)」と呼ぶグーグルの検索連動広告を活用して売り上げを伸ばしている小売業者は数多く存在する。

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地域広告の重要度は高まってきている〔AFPBB News

 しかし広告料金がオークション形式で決まるこのシステムは一般的な地域企業にとっては使いづらい。仕組みが複雑すぎたり、習得するのに時間がかかったりするからだ。そこでグーグルは地域企業向けに固定料金を導入し、電話勧誘で販売することにした。

 例えば、オレゴン州ポートランドで自動車用タイヤを扱う「ボブ・ブラウン・タイヤセンター」という会社は、グーグルの電話セールスで、月額25ドルの広告掲出を即決した。ユーザーが「ポートランド」と「タイヤ」という組み合わせで検索した際、検索結果ページに同社サイトのリンクとともに「10ドル引き」というテキストが表示されるというものだ。